気持ちのいいほどに、淡々と投げ進めていく。ピンチの場面にも決して動じることなく、捕手のミットめがけて投じるボールには自信がにじむ。先発での経験も糧に輝きを放つ右腕が、リリーフ陣の中心にいることの意味は大きい。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭 課題に対してのアプローチがうまくハマり、5月16日現在、防御率0点台の安定感を維持している
すっきりした状態で
首脳陣が変わった昨秋、新しいチームづくりが始まっていく中で早々にリリーフ起用が決定した。役割が明確になったことをプラスにとらえ、松本裕樹はますます力強くなっている。プロ10年目を迎えてチームの中、ブルペンの中での自身の立ち位置の変化も感じながら、マウンドに上がれば自分の投球、自分のボールで打者を抑え込む。そこに迷いはない。 ──開幕から1カ月半が経過して、自身の状態としてはいかがですか。
松本裕 今のところは接戦の試合が多くて、投げる機会が多い。その中でちゃんとパフォーマンスが発揮できているので、キャンプ、オープン戦と、いい準備ができたかなと思いますね。
──今季を迎えるにあたっては、首脳陣から早い段階でリリーフ起用というところが明言されました。松本投手自身の当時の心境としては?
松本裕 先発っていう気持ちも自分の中では多少あったんです。でも、それを早いうちから中継ぎというところに切り替えられた。開幕に合わせてくれと言ってもらって、それを期待されているというふうにとらえて取り組んできました。
──先発に対する未練のような思いはなかったですか。
松本裕 一方的に中継ぎと言われたわけではありませんし、いろいろと話をした中で決まったことだったので。ここ数年、中継ぎでやってきて、まずは今年も中継ぎで、しっかりとしたポジションで1年間やることが、今後に向けてもいいのかなと。もし先発をやるにしても、どっちつかずにならずにいいんじゃないのかなというふうに思ったので。
──今後については決まっていない、と。
松本裕 先発をやるのも面白いかなと思いますし、そこにチャレンジしたいという気持ちもあるんです。ただ、シーズン中は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン