新しいスタートラインに立った123人の選手たち。奮い立つ第一歩だ。その中で最高評価となった選ばれしドライチ12人をクローズアップ。 取材・文=前田泰子 写真=湯浅芳昭 冬の練習で劇的成長 一躍ドライチ候補へ
運命の導きかもしれない。福岡大大濠高の柴田獅子は運命が決まる瞬間を緊張した表情で見つめていた。地元ソフトバンクと日本ハムが競合。外れ1位で日本ハムの
新庄剛志監督が「ヨッシャー」と声を上げたのを見ても表情はほぐれなかった。「1位指名は光栄です。期待に応える決意があります」と予想しなかった1位指名に口元を引き締めた。
187cmとスケール感たっぷりの右腕は1年の夏の大会で登板し、下級生のときから注目されていた。エースとなった昨秋は最速138キロ。福岡大会準決勝で東海大福岡高にタイブレークの末にサヨナラ負けを喫した。この敗戦が柴田をドラフト1位に引き上げる転機となった。「このままじゃプロには行けない」。そこからは友達と遊ぶ時間も練習にあて、本気で野球に取り組んだ。
冬の練習では、体の軸がぶれてコントロールが安定しないという課題を克服するためにトレーニングに励んだ。「無駄な癖や力が散らないようなフォームにしました」とゴムを下半身につけての投球動作を繰り返してフォームを固め・・・
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