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アマチュア野球FLASH 東京六大学春季リーグ戦

覇者WASEDA天皇杯奪還!! 早大2020年秋以来7季ぶりリーグ最多47度目V

 

早大・小宮山監督はロッテ時代の背番号にあやかって、神宮の杜を14回舞った。閉会式後、主将・印出は「日本一の男にしたい」と語ると、指揮官は「30回ね!」と、監督としての背番号である30回を懇願。全日本大学選手権での9年ぶりの日本一を固く誓った[写真=矢野寿明]


 早大は2024年、6年に1回、東京六大学の当番校。野球部長が連盟理事長を務め、岡村猛先輩理事を軸として、リーグ戦運営の中枢を担った。日野愛郎部長には、野望があった。「早稲田で完結させる」。立大との開幕カードを前に、選手の前で言った。

「慶應と明治で4連覇以上したのは、過去に3回あります。そこでVを阻止したのは早稲田。あとは安心して普段どおりの力を発揮すればいい」

 早大ベンチのホワイトボードには毎試合、日野部長からの言葉を受けて「歴史は繰り返される」と書いた。学生たちはこの言葉を信じ、早大の初代監督・飛田穂洲氏の教えである「一球入魂」を全12試合、徹底してきた。リーグ制覇をかけた早慶戦で連勝し、勝ち点5の完全V。優勝回数で並んでいた法大を抜き、リーグ最多47度目の天皇杯奪還となった。

 19年1月から母校を指揮し、20年秋以来、2度目の天皇杯奪還となった小宮山悟監督は「選手たちが血のにじむような努力をしてくれて、その成果が出ました」と、場内の優勝インタビューで歓喜を語った。

 閉会式では藤田南マネジャー(4年・開智高)が場内アナウンスで「天皇杯授与」をコール。プレゼンターの主務・中原由信(4年・早実)から理事長の日野部長、そして印出太一主将(4年・中京大中京高)へと手渡された。「早稲田で完結」を実現させた。

早大からベストナインは4人が受賞した[左から捕手・印出主将、首位打者を獲得した中堅手・尾瀬雄大、エース右腕・伊藤樹、遊撃手・山縣秀]


 閉会式後はすぐにバスで西早稲田の早大総合学術情報センターへ向かった。初代部長・安部磯雄先生、飛田先生の胸像前での優勝報告。かつて旧安部球場があった、早大にとって原点の場所だ。主将・印出は「天皇杯の重みをあらためて感じた。この4年間、優勝を逃してきて、いつも応援していただける稲門会、OB会、早稲田ファンからの信頼を取り戻そうとやってきました。ただ、自分たちの目標は4冠(春、秋リーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)です。六大学が日本で一番の大学リーグであることを証明したい」と背筋を伸ばした。歓喜はこの日まで、2015年以来の大学日本一への戦いが続いていく。

取材・文=岡本朋祐
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