夏の甲子園出場を逃した高校3年生を対象とする個人参加型のリーグ戦「リーガ・サマーキャンプ」が北海道で行われた。日本国内初の取り組みには、どのような意義があるのか。その模様をリポートする。 取材・文・写真=中島大輔 8月17日、決勝はエスコンFで行われた
参加者は全52人
夏の甲子園で3回戦最後の4試合が行われた8月17日、北海道のエスコンフィールド(エスコンF)では高校野球の新たな取り組みがファイナルを迎えた。地方大会で敗れた高校3年生が約27万円の参加費を払ってエントリーした「リーガ・サマーキャンプ」だ。
「高校のときに実戦でバッターに投げることをあまりできなかったので参加しました。マウンドに立てただけでうれしかったですし、抑えられたので本当に良かったです」
9回表に登板した福田健斗は笑顔で話した。今春のセンバツに出場した豊川では主要大会で1度もベンチ入りできなかったが、エスコンで視察した某大学の監督は「いい投手ですね」と鋭い視線を向けた。福田は志望大学を受験し、社会人、プロに進みたいと考えている。
今年初開催されたリーガ・サマーキャンプの参加者は全52人(3人が甲子園出場で辞退)。プロ注目投手の
石田充冴(北星学園大付)、田上航(八幡商)、
澁谷純希(帯広農)や、外野手の若井勇輝(桐蔭学園)や左腕投手の横田心大(甲南)など大学経由でプロを目指す者からアメリカのIMGアカデミーに通う宮部敢太や高校野球指導者を目指す太田朝希(今宮)、軽度の知的障害を抱え日本体育大学附属高等支援学校に在学する工藤琉人ら多岐にわたった。
「始まる前は『自分の実力で大丈夫か』という声も聞いたけど、誰が出ても実力差はさほどなかったです」
エスコンFで本塁打を放った若井が言うように、実力伯仲の熱戦が繰り広げられた。前述した工藤は所属校では陸上部ながら、18打数5安打で打率.278、長打を3本放つなど好成績を残している。
リーグ戦のメリット
52選手が4チームに分かれ、8月9日から16日まで栗山町民球場でリーグ戦と決勝トーナメントを計14試合実施。勝ち上がった2チームが同17日にエスコンFで激突した・・・
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