
今年は昨年のようなピッチングを続けることができなかった
村上頌樹が復活をかけて動き出している。「このままじゃダメだと、自分もそう思っています。来年はいい姿を見せなければいけない」と出直しを強調する。
昨シーズンの活躍は目覚ましいものがあった。球速を越えたストレートに、カットボール、フォークなど変化球も冴えた上に、絶妙のコントロールで抑え込んだ。
1年前は10勝6敗をマークし、最優秀防御率(1.75)、新人王、シーズンMVPを手中に収めた。セ・リーグ制覇、日本一にも貢献し、突然開花したイメージだった。
智弁学園高から東洋大を経て2021年ドラフト5位で
阪神入り。まさにシンデレラストーリーの主役だったが、それが長続きすることはなかった。
「実績2年目のジンクス」とでも言うべきような見違える内容だった。開幕から勝ちが続かず、5月0勝が示したように負けが先行してしまう。
どんどんストライクを投げ込んでいく投球で、制球の良いピッチャーだけに、相手打者にはファーストストライクからフルスイングで対抗された。
シーズン終盤には“勝負手”のリリーフに回ったが、「自分のせいで負けた」と結果を残せなかった。エラーも絡んだ失点も多かったが、最後まで本来の姿を取り戻すことはできなかった。
岡田彰布前監督からは「このままじゃ終わってしまう」と心配されたほどだった。あこがれだった
藤川球児新監督の下、計算のできる人材になれるかどうか注目されている。
写真=BBM