
チーム期待の強肩捕手としてブレークが待たれる田宮
「うまく打っていたね。ここ一番で力を発揮できるのは良いことだし、いいものを持っている」と、
栗山英樹監督もフレッシュなスター候補生の活躍に目を細めた。
日本ハム・
田宮裕涼。鎌ケ谷のファンにはすっかりおなじみの存在であり、甘いマスクと愛くるしい「ゆあスマイル」で女性人気も沸騰中の2年目捕手だ。そんな男に大きなチャンスが訪れたのは9月27日の
オリックス戦(京セラドーム大阪)。脳振とう特例措置で出場選手登録を外れた
ビヤヌエバの代替選手として26日に緊急昇格。目標にしていた一軍デビューは、思いがけない形でいきなりやってきた。
試合はベンチからのスタートとなったが、二軍とは違う独特の緊張感と雰囲気、先輩たちのプレーを見つめながら出番を待ち続け、8回の守備からグラウンドへ。ベテラン右腕の金子弌大とバッテリーを組み、その回を0点に抑えた。さらに9回には「フォークを前で拾えました」と、
漆原大晟からセンター前にプロ初打席で初ヒットをマークした。
巧みなバットコントロールと広角に打てる打撃は入団時から評価が高く、この日のヒットも田宮の非凡な能力を感じさせるものだった。それだけに課題はインサイドワークを含めた守備力の強化。「ゆあビーム」と呼ばれる強肩、さらに俊足は一軍レベルにあるが、そのほかの部分はまだまだレベルアップが不可欠。それでも持って生まれたスター性、指揮官も評価した、ここ一番のチャンスをモノにできるハートの強さは持っている。
ブレーク必至の20歳の若き超新星が、下位に低迷するチームの希望の光となる。
写真=BBM