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佐々木主浩、岩瀬仁紀、藤川球児…あなたが選ぶ「最強の守護神」は誰?

 

 野球は最後のイニングの9回を抑えるのが最も難しいとされる。抑え投手はマウンドにいる時間は先発投手やスタメンで出場している野手に比べて短いかもしれないが、その重圧は計り知れない。1002試合登板で通算407セーブといずれもNPB歴代最多記録の金字塔を打ち立てた岩瀬仁紀、魔球と形容されたフォークで「ハマの大魔神」と形容された佐々木主浩、一流打者たちが直球と分かっていても空振りする「火の玉ストレート」が代名詞の藤川球児……彼らがマウンドで解き放つオーラは他の投手と明らかに違った。あなたが選ぶ「最強の守護神」は誰だろうか。

中日・岩瀬仁紀


・岩瀬仁紀(中日)
※NPB通算 1002試合登板、59勝51敗407セーブ82ホールド、防御率2.31

 現役生活19年間で大きな故障がなく過酷な救援で投げ続け、異次元の安定感だった。新人の1999年から2013年まで15年連続で50試合以上登板。セットアッパーとして実績を積んで最優秀中継ぎ賞を3度獲得すると、04年から不動の守護神に。最多セーブ投手を5度受賞した。日本シリーズも6度出場して失点はゼロ。中日黄金時代で落合博満監督から絶大な信頼を寄せられた。手元で動く直球と打者が「消える」と手を焼いたスライダーが武器。球の精度は高かったが、ピンチを背負っても勝ち切る強靭な精神力が岩瀬の真骨頂だった。

横浜・佐々木主浩


・佐々木主浩(横浜、マリナーズ)
※NPB通算 439試合登板、43勝38敗252セーブ1ホールド、防御率2.41
※MLB通算 228試合登板、7勝16敗129セーブ、防御率3.14

 落差の大きなフォークは来日したメジャー・リーガーたちも度肝を抜いた。38年ぶりの日本一に輝いた98年は51試合登板で1勝1敗45セーブ、防御率0.64と驚異的な成績でMVPを受賞。5度の最優秀救援投手を獲得した。メジャーでも日本人最多の通算129セーブをマーク。球種は直球とフォークの2種類が球種の大部分を占め、フォークの落差と軌道を何種類も投げ分ける高度な投球技術で制球も良かった。握りで球種を見破られることを防ぐために横幅の広い特注のグラブを使用したり、リリースの瞬間に速球の握りからフォークの握りに変えたりするなど創意工夫も怠らなかった。ID野球のヤクルト野村克也監督は「クセが見破れない」と嘆き、他球団の間で「佐々木が出る前に決着をつけろ」が合言葉だった。

阪神・藤川球児


・藤川球児(阪神、カブス、レンジャーズ、独立リーグ・高知)
※NPB通算 782試合登板、60勝38敗243セーブ163ホールド、防御率2.08
※MLB通算 29試合登板、1勝1敗2セーブ1ホールド、防御率5.74

 最速156キロの直球は球速以上の体感速度を感じ、打者のバットが空を切る。手元で浮き上がるような軌道で「火の玉ストレート」と呼ばれた。ジェフ・ウィリアムス久保田智之とともに結成した最強の救援陣「JFK」の一角を担い、05、06年と2年連続最優秀中継ぎを受賞すると、07年から守護神に抜擢されて2度の最多セーブを獲得。05年からの8年間で防御率1点台前半以下のシーズンが6度と驚異的な安定感だった。06年のオールスターでは当時西武アレックス・カブレラに「全球直球勝負」を宣言して空振り三振に。プロの強打者が直球と分かっていても空振りをする。漫画の世界から飛び出したような快速球右腕だった。

ヤクルト・高津臣吾


・高津臣吾(ヤクルト、ホワイトソックス、韓国・ウリ、台湾・興農、独立リーグ・新潟)
※NPB通算 598試合登板、36勝46敗286セーブ8ホールド、防御率3.20
※MLB通算 99試合登板、8勝6敗27セーブ8ホールド、防御率3.38

 広島工高では2番手投手、亜大でも同学年に左腕エース・小池秀郎がいたため、アマチュア時代は目立つ存在ではなかった。プロ入り後に右のサイドスローから繰り出される伝家の宝刀・シンカーに磨きをかけてヤクルト黄金時代の守護神に。最優秀救援を4度獲得し、日本シリーズでは史上最多の通算8セーブで4度の胴上げ投手と大舞台に強かった。ホワイトソックスでも移籍1年目の04年に19セーブを挙げ、当時のオジー・ギーエン監督が「マリアノ・リベラでも連れてこない限り、シンゴは我々にとって最高のクローザーだ」と絶賛。日本、米国、韓国、台湾と4カ国のプロ野球でプレーした初の日本人選手で、独立リーグ・新潟でも守護神を務めた。NPB歴代2位の通算286セーブ。日米通算300セーブは佐々木と高津の2人のみの大記録だ。


・デニス・サファテ(広島、西武、ソフトバンク)
※NPB通算 427試合登板、27勝20敗234セーブ48ホールド、防御率1.57
※MLB通算 92試合登板、5勝4敗8ホールド、防御率4.53

 ソフトバンクを常勝軍団に引き上げた守護神として、サファテも強烈だ。広島、西武を経て14年にソフトバンクに加入すると、同年に史上初の両リーグ30セーブを達成し、15年から3年連続最多セーブを獲得と絶対的守護神に。最速161キロ、常時150キロを超える直球で三振奪取率が高く、15年は43イニング連続奪三振の新記録を樹立。圧巻は17年だ。シーズン最多セーブ記録となる54セーブを達成し、日本シリーズのDeNA戦では第2、3戦でセーブを挙げ、第6戦では9回から3イニングのロングリリーフ。無失点の快投でサヨナラ勝利を呼び込み、日本一に大きく貢献。MVPを受賞した。18年に股関節の手術を受けて19、20年は実戦登板なし。3年契約最終年の今季はマウンドでもう一度勇姿を見たい。

写真=BBM
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