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【大学野球】指揮官から「切り札」として全幅の信頼感 「スーパー1年生」明大・内海優太にあるスター性&存在感

 

リーグ戦初安打が本塁打


明大の1年生・内海は慶大2回戦でリーグ戦初本塁打を放った


 明大は慶大2回戦(4月23日)で、1点を追う6回表、得意の形で同点に追いついた。

 先頭の三番・宗山塁(3年・広陵高)が右二塁打を放ち、四番の主将・上田希由翔(4年・愛産大三河高)の右二塁打で1対1とした。五番・宮田知弥(2年・横浜高)の犠打の後、三塁ベンチの明大・田中武宏監督は動いた。

 一死三塁。代打で登場したのは、左の1年生スラッガー・内海優太(広陵高)だった。

「ああいう場面で行くことは皆、分かっている。(開幕前のオープン戦で)結果を出し続けている。点は絶対に入るな、と。ホームランという形は想像していませんでしたが……」(田中監督)

 入学したばかりの新入生ながら、すでに指揮官から「切り札」として、全幅の信頼感だ。「代打という役割は分かっていたので、いつでも出られるように準備していた。ベンチの雰囲気も良く、先輩たちが背中を押してくれたので、かえしてやろうと打席に入りました」(内海)。初球、変化球を見逃した1ストライク後、アウトコースの真っすぐをフルスイング。舞い上がった打球は、左翼ポール際へ吸い込まれた。勝ち越し2ラン。神宮デビューから3打席目でのリーグ戦初安打を、初本塁打で飾った。明大は5対1で慶大に先勝し、対戦成績を1勝1分とした。

「(バットの)芯でとらえることができた。打った瞬間はいかないかな? レフトフライかな? と思いましたが。広角に打つ意識でした。気持ちが浮いたというか、うれしいです」

 広陵高では高校通算34本塁打。このうち1本は木製バットで放ったものである。昨年8月31日。高校日本代表の四番として、大学日本代表との壮行試合(ZOZOマリン)で法大・篠木健太郎(3年・木更津総合高)から右中間へソロアーチを記録した。神宮球場との相性も良く、2年秋の明治神宮大会2回戦(対明秀日立高)で一発を放っている。

「どちらの本塁打も、うれしかったです」

 2歳上の兄は法大・内海壮太外野手(3年・御殿場西高)。立大1回戦でリーグ戦初出場(七番・左翼)を果たすと、3試合目の先発となった同3回戦ではリーグ戦初安打を含む3安打の活躍を見せた。内海は185センチ86キロの左打者に対して、兄は183センチ91キロの右パワーヒッターである。

「意識はしていないですけど、兄弟なので、お互い頑張っていきたい」

スタメン出場も間近


 スター性がある。明大の2学年上で広陵高の先輩・宗山も1年春、法大・三浦銀二(現DeNA)からのリーグ戦初安打を、初本塁打でマークしている。シーズン途中から遊撃のレギュラーに定着し、1年秋から昨秋まで3季連続ベストナイン受賞。2年秋までに61安打と大学球界を代表する選手に成長している。

 明大・田中監督は「そのうち、先発で出るんじゃないですか」と、内海のスターティングメンバーでの起用を示唆する。逆方向への圧巻の一発。確かに、ベンチに置いておくのはもったいない。「スタメンのチャンスがあれば、結果が残せるようにしたい。先輩たちについていきながら、4年生は最後なので、自分が勝ちにつなげられるようにしたい」。高校時代はやや体の線が細い印象があったが、大学合流から約3カ月余りで立派な体格になった。

 まさしく「スーパー1年生」と呼ぶにふさわしい存在感。内海のバットから目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
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