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【大学野球】「新境地を見た」…伸びシロ十分の東海大静岡キャンパスの左腕・宮原駿介

 

根拠を持って前向きにチャレンジ


東海大静岡キャンパスのプロ注目左腕・宮原は堂々としたマウンドさばきを見せた[写真=矢野寿明]


【侍ジャパン大学代表候補合宿】
▼6月22日 紅白戦[バッティングパレス相石スタジアムひらつか]

 東海大静岡キャンパスの153キロ左腕・宮原駿介(4年・静岡学園高)が持ち味を存分に発揮した。紅白戦で2回1安打無失点。最速148キロのストレートには伸びがあった。今春のリーグ戦途中に習得したカットボールも効果的で、対右打者の内角をうまく攻めた。

「ゲーム勘がある状態で臨むことができました。昨年12月の松山合宿では、それができませんでしたので……。週末に向けてピークを上げる調整を繰り返してきた成果を、この紅白戦で出すことができました」

 スタンドで観戦した東海大静岡キャンパス・手塚慎太郎監督は「初球のスライダーでカウントを取り、インコースをうまく攻めていました。相手打者が打ちにくるところで、カットボールでタイミングを外していた。新境地を見ました。明治大学の後輩ですが、小島捕手(大河、3年・東海大相模)のリードにも助けられました」と、目尻を下げた。

 卒業後の進路は「プロ志望」。手塚監督によれば、NPB12球団から挨拶があったという。

 野球人である前に、大学生である。

「しっかりとした人としての土台があってこそ、次の段階へと進めると、私は考えます。指導者として野球の技術指導より、人間的な部分を大事に接しており、良い形で送り出したい」と、親心をのぞかせる。その上で「向上心が高く、どん欲に練習に取り組む。練習後は自発的にトレーニングジムに通うなど、自己研鑽に励み、努力を怠らない」と信頼する。

 高校3年時には国公立大学への進学も選択肢の一つに考えており、文武両道を実践してきた。東海大静岡キャンパスでは水産学科食品科学専攻に在籍。「栄養学を学べたらプラスになる」。手塚監督は「根拠を持って、前向きにチャレンジする」と模範生として認める。

 好きな投手はカブス・今永昇太と、パドレス・松井裕樹と、今シーズンから海を渡ってプレーするMLB2人のサウスポーの名前を上げる。手塚監督は将来的なビジョンを語る。

「先発、抑えを経験しており、伸びシロがあります。体の強さ、ボールの強さを武器にして、リリーフで年間50試合ぐらい投げなれる強じんなフィジカルをアピールしてほしい」

 この日は多くのプロ関係者が視察。宮原のピッチングは、スカウトの目にも届いたはず。

 今回の合宿参加をきっかけにして、さらに上のステージを目指す。「自分にプラスになることを他の選手からたくさん聞けたので、これまで取り組んできたことを継続しつつ、自分に合うものを取り入れ、プロで活躍できるようにつなげていきたい」。ドラフト戦線において毎年、左腕の需要が高い。「運命の日」まで、地道にできることを積み重ねていく。

文=岡本朋祐
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