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度会隆輝、西舘勇陽、常広羽也斗…プロの厳しさ味わった「セ・リーグ ドラ1採点簿」

 

 今秋のドラフト会議が近づいた中で、1年前に指名されたドラフト1位の選手はどのような活躍を見せただろうか。セ・リーグは1年間を通して活躍した選手がおらず、ケガに泣かされたドラ1も多かった。置かれた立場はそれぞれだが、各選手の今年の活躍ぶりを採点してみた。ただ、勝負はこれからだ。

読売ジャイアンツ


巨人・西舘


西舘勇陽=80点
※今季成績 28試合登板、1勝3敗1セーブ20ホールド、防御率3.82

 大学球界を代表する右腕は、長丁場のペナントレースで高いパフォーマンスを発揮し続ける難しさを感じただろう。セットアッパーで6月まで19ホールドをマークしたが、登板を重ねて疲労で球の質が落ち、7月以降はファームで再調整に。8月23日の中日戦(東京ドーム)はプロ初の先発に抜擢されたが、5回4失点で黒星を喫した。20ホールドを挙げて4年ぶりのリーグ優勝に貢献した功績は色褪せないが、1年を通じて活躍するためには制球力を磨く必要がある。来季は先発、救援のどちらで起用されるか注目される。

阪神タイガース


下村海翔=30点
※今季成績 一、二軍登板なし

 制球力に長けた即戦力右腕と期待されたが、4月上旬にトミー・ジョン手術を受けて長期離脱。一軍のマウンドを目指してリハビリに打ち込んでいる。厳しい採点となったが、故障は不可抗力の部分がある。焦りは禁物だ。阪神は今季自己最多の13勝をマークした才木浩人、今年8月に一軍復帰して4勝を挙げた高橋遥人がトミー・ジョン手術を受けている。手術からのリハビリを経て一回り成長した姿を見せている先輩たちの姿は、良きお手本になるだろう。一軍で復活登板を果たし、2、3年後の採点で100点をつけられる活躍に期待したい。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・度会


度会隆輝=75点
※今季成績 75試合出場、打率.255、3本塁打、24打点、2盗塁

「アマチュア球界No.1野手」と高評価で、オープン戦は打率.434と首位打者に。開幕戦・広島戦プロ初アーチ、2戦目で4安打と鮮烈なデビューを飾ったが、その後は快音が聞かれなくなり一軍に定着できなかった。イースタン・リーグでは打率.347、2本塁打、23打点と格の違いを見せている。一軍で活躍するためには好不調の波を少なくし、不安定な外野の守備でも技術を磨く必要がある。ファンに愛される天真爛漫のキャラクターで、スター性は誰もが認める。来年は一軍で常時出場し、チームに不可欠な主力選手を目指す。

広島東洋カープ


広島・常廣


常廣羽也斗=60点
※今季成績 2試合登板、1勝0敗、防御率2.45

 学業の影響などで出遅れたため、春季キャンプから体力強化を優先。5月にファームで初の実戦登板を果たしたが、イメージした球を投げられずにフォーム固めで試行錯誤を続けた。一軍初登板は9月15日のDeNA戦(マツダ広島)で5回7安打1失点の粘投でプロ初勝利をマーク。29日の中日戦(マツダ広島)も再三のピンチを切り抜け、6回8安打2失点と試合をつくった。即戦力の前評判で物足りない数字に終わったが、シーズン終盤に爪痕を残した。来季は開幕から一軍の先発枠を勝ち取りたい。

東京ヤクルトスワローズ


西舘昂汰=35点
※今季成績 二軍5試合登板、1勝1敗、防御率5.00

 1月の新人合同自主トレーニングで上半身のコンディション不良を発症し、2月の春季キャンプ中もノースロー調整と出遅れた。ファームでトレーニングを積み、イースタン・リーグで自己最速を更新する155キロを計測。一軍デビューはならなかったが、成長の跡を見せた。だが、9月に入って右肘のトミー・ジョン手術を受けた。5位に低迷したヤクルトは先発のコマ不足が深刻な状況だが、まずはリハビリに専念して体調が万全となったら神宮のマウンドで躍動する姿を1試合でも多く見せたい。

中日ドラゴンズ


草加勝=30点
※今季成績 一、二軍登板なし

 新人合同自主トレ中に右肘の違和感を訴え、春季キャンプ初日の2月1日にトミー・ジョン手術を受けた。今後の野球人生を考えると、手術を受けた決断は正解だっただろう。リハビリを経て、現在はブルペンの傾斜を使ってキャッチボールを行う段階まで回復している。故障で一、二軍登板なしに終わったため、阪神の下村と同様に厳しい採点となったが、今後の活躍次第で評価は大きく変わる。かつて投手力に定評があった中日だが、今季規定投球回数に到達したのは高橋宏斗小笠原慎之介の2人のみ。草加が万全のコンディションで、一軍のマウンドに立つ日が楽しみだ。

写真=BBM
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