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【大学野球】早慶戦に向けて勝負師の父のDNAを継ぐ印象的な言葉を残した慶大・清原正吾

 

ドラフトに関しては「特にないです」


法大2回戦後、ラストカードとなる早慶戦への思いを語った[写真=矢野寿明]


【10月20日】東京六大学リーグ戦第6週
法大5x-4慶大(法大2勝)

 10月24日はドラフト会議。西武巨人オリックスでNPB通算525本塁打の清原和博氏を父に持つ慶大・清原正吾(4年・慶應義塾高)は9月12日、プロ志望届を提出した。

 慶大は開幕から4カードを終え、3勝7敗1分け、勝ち点1と苦戦している。2016年秋から継続していたAクラスが16シーズンで途切れた。残るは第9週、伝統の早慶戦である。

 清原は打率.200(45打数9安打)、2本塁打、4打点。法大とのカードは、2試合で8打数無安打に終わった。

「四番である僕が結果を出せずに、責任を感じている。早慶戦に向けて、僕の持っているすべてをぶつけたい。1日を無駄にせず、妥協せずに過ごしていきたいと思います」

 清原は開幕から11試合、チーム唯一、不動の打順を任されている。堀井哲也監督は言う。

「ウチの打線においては長打力、勝負強さで四番に置く選手。バランスを見て、収まりがいい。信頼して使っている。(法大との2試合は)たまたまノーヒットでしたが、警戒もある。秋はそういう立場でやり切ってほしい。(その立場を)つくってきたのがあります」

 報道陣からドラフトついて聞かれると、清原は「特にないです」と語った。やり切れたかを問われると「はい」と答えた。最もアピールできた打席は「明大戦での本塁打(リーグ戦1号)が僕の中では印象に残る一打」と語った。東大3回戦でもソロ本塁打を放った。

 父の影響で、小学校3年から白球に触れていたが、6年時に自らその道を絶った。中学時代はバレーボール部、高校時代はアメリカンフットボール部に在籍。大学で野球部に入部し、初めて硬式球を握り、血のにじむような努力で、6年のブランクを埋めた。高校野球を経験していない選手が神宮で2本塁打とは、奇跡的である。「六大学で戦えるレベルにはなってきているのかなと思います」と話した。

慶大・清原は開幕から4カード、全11試合で四番を務めている[写真=矢野寿明]


 進路に関わるドラフトは「運命の日」。だが、それよりも、慶大の四番としては、11月9日からの早慶戦に心が向いている。勝負師の父のDNAを継ぐ、印象的な言葉を残した。

「早慶戦の舞台は、特別なものがある。小学生(慶應義塾幼稚舎)から見てきた。大学野球人生の締めくくりとして後悔なく、体がボロボロになってもいいので、その気持ちで戦っていきたいと思います」

「(四番として)結果が出ていないので、残りの早慶戦で、死に物狂いで戦う」

「優勝の可能性があるないに関係なく、慶應の塾生である以上、早稲田に負けられない使命がある。早稲田は絶対負けられない相手なので、必ず勝って終わりたいです」

 尊敬する父のプレーにあこがれ、背番号3を着けている清原。複数のNPBスカウトからは、この4年での成長ぶりを認めるコメントを聞くことができた。果たして、どのような評価となるのか。10月24日に、結果が出る。

文=岡本朋祐
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