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あの日、あのとき、あの場所で 球界の記念日にタイムスリップ

<1943年5月26日>80年前の5月が「ノーヒットノーランの当たり月」だった悲しい理由

 

当日の写真はない。この写真は別所昭の南海時代だが、ユニフォームのデザインから戦後の撮影と推測される


2年目の20歳・別所は南海を背負っていた


 2022年は日本プロ野球にとってある種の「特異年」だったと言える。完全試合を達成した佐々木朗希(ロッテ)を皮切りに、東浜巨(ソフトバンク)、今永昇太(DeNA)、山本由伸(オリックス)、ポンセ(日本ハム)と1940年に並ぶ最多タイの5人のノーヒットノーラン投手が誕生したからだ。21世紀のノーヒットノーラン達成投手は2021年までに13人。年平均0.62人だと考えれば、昨年の異常さが分かる。年単位ではなく月単位で考えてみたらどうだろう。「特異月」とでも言うべき例は過去にあるだろうか。ある。それは1943年5月だ。何しろ、この月だけで3人のノーヒットノーラン投手が生まれているのである。

 1人目は天保義夫(阪急)。5月2日、甲子園での南海戦に先発した天保は、いきなり先頭打者に四球を与える不安定な立ち上がり。しかし続く打者を投ゴロに打ち取り二塁で封殺した。これで波に乗ったか、与四球6を記録しながら安打は1本も打たれなかった(3対0)。2人目は藤本英雄(巨人)。藤本と言えばプロ野球初の完全試合投手として有名だが、5月22日にノーヒットノーランも達成している。相手は名古屋(後楽園)。5人の走者を出したが・・・

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