守備機会444で失策は4つ。守備率.991(8月26日現在)は12球団の遊撃手のなかで倉本寿彦はトップクラスの安定感だ。今季レギュラーに定着した2年目のホープは、「派手なプレーは必要ない」と持論を語る。 取材・構成=滝川和臣、写真=中島奈津子、BBM ムダを削ぎ落とし手にした確実性
僕が思い描く理想の遊撃手は、派手さとは無縁のプレーです。華のある動きは必要ありません。たとえば「4-6-3」のゲッツーの場面。ショートの見せ場ではありますが、格好を気にするより二塁に滑り込んでくる一塁走者のスライディングに引っ掛けられないように注意します。ベースに入る際は二塁手からどんなボールが来てもいいように準備し、一塁手が伸びて捕球しやすいところに正確にスローイングする。アウトを取れるプレーを確実に処理して、少しでも守備から流れを作っていきたいですね。
今年になって技術的に意識するようになったのが、ムダを省くことです。
万永貴司コーチに「取れるはずのアウトが内野安打になる場面が多い」という点を指摘されたのがきっかけでした。僕は性格的にもマイペースで、自分の「間」で動きたいんですけど、万永コーチからは「“せっかち”にプレーしなさい」と言われ、キャンプでは捕球から送球までの時間短縮を目指してきました。強く意識するのは“ムダを削ぎ落し、正確に”です。実際に周囲からは「捕ってからが速くなった」と言われますし、ショートへの内野安打も減っていると思います。当初は動作を速くしようとすることで送球ミスが増える不安もありましたが、早くトップを作ることで余裕が生まれ、思った以上に正確なスローイングができています。
構えるタイミングは味方ピッチャーがサインを見終わって、セット(投球)に入る瞬間です。走者の有無にかかわらず、僕はどんなときも・・・
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