03年のドラフト戦線は鳥谷敬を中心に展開されたと言っていいだろう。この超目玉選手を巡り8球団が「自由獲得枠」での争奪戦に名乗りを上げた。野球に取り組む上での環境面を最優先に熟考した末に、決断を下した先は今年のセ・リーグの覇者・阪神だった。「攻・守・走」すべてにおいて、世界一熱狂的な虎ファンを魅了できる大型遊撃手。神宮から飛び出したスターが新生岡田政権の下、1年目からレギュラーどりにチャレンジする。 取材・構成=岡本朋祐、岡部充代 写真=高塩隆、2003年12月1日号掲載記事 大先輩の存在と土の球場が決め手
──阪神入団が決まった現在の心境を聞かせてください。
鳥谷 ようやく進路が決まったということで、ある程度ホッとした気持ちはあります。
──決断したのはいつですか。
鳥谷 最終的にはリーグ戦が終わって、監督、両親と話し合った上で決めました。
──11月8日の入団交渉ではどのような評価を受けたんですか。
鳥谷 ぜひともウチに来てやってほしいという話をいただいただけです。
──決め手となったのは何ですか。
鳥谷 大学の先輩である岡田さんがいるということもありますし、あとはグラウンドが土ということですね。
──岡田監督の存在というのはやはり、大きいですか。
鳥谷 同じ現場で一緒にできるというのはやはり、大きいと思います。
──実際に会ったことはありますか。
鳥谷 ないです。
──グラウンドが土というのは?
鳥谷 イレギュラーですとか、多少のエラーは出てくるかもしれないですけど、やっばり長く野球をやりたいので、体への負担ということを考えても、なるべく土のグラウンドの方が良いと考えて決めました。
──甲子園球場は高3夏の選手権以来遠ざかっていると思いますが。
鳥谷 高校生だったこともありますし、広いグラウンドだなという印象はありましたけど。あとはお客さんとの距離が案外近いという感じ。バックネット裏の客席が目線と同じ高さだったのは、記憶に残っています。
──プレーしやすかったですか。
鳥谷 そこまで考える余裕はなかったですね。とりあえず、がむしゃらにやっていただけなので、あまり覚えていないのが正直なところです。
──ところで、6月の時点では「いろいろな話を聞いて、いいと思ったところに決めたい」といっていましたが、かなり悩んだんでしょうか。
鳥谷 そうですね。最後の最後まで悩みました。
──選択するにあたっての条件は?
鳥谷 自分が・・・
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