4月23日、元広島・衣笠祥雄氏が死去した。1987年に当時の世界記録、2130試合連続試合出場を塗り替え、国民栄誉賞にも輝いた“世界の鉄人”だ。 貫いたフルスイング
昨年秋が最後の取材だった。声がかすれていたので尋ねると、「ちょっとね」とだけ言って笑った。
ダンディーな紳士だった。いつも笑顔を絶やさず、人の悪口は絶対に言わない。バッティングについて話すときは、口調が少し熱くなった。
病名は上行結腸ガン。71歳だった。亡くなる4日前まで試合の解説をし、5月3日にも仕事の予定を入れていたという。現役時代同様、持てる力の限りを尽くし、走り続けた人生だった。
通算2543安打、504本塁打を積み上げたバッティングの最大の特徴が“フルスイング”だ。
「これだけの体しかないから(身長175センチ)、そうしないとボールは飛ばないんです。あと15センチ大きくて、15キロ重かったら、違ったバッティングの形を作ったでしょうが、最低20本ホームランを打たないと試合に出られないと思い、どんな方法があるのかを徹底的に考えたら、これしかなかった。力いっぱい振るというのは、僕のバッティングの中では正しいことなんです。加えて言うなら、僕の原点でもあります。僕は、中学で本格的に野球を始めた。そこで最初に魅力を感じたのが、力いっぱい振って、ボールがどこまで飛ぶのかなと・・・
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