キャンプインからラミレス監督の口振りからは、就任5年目にして強い自信にあふれている。昨季2位になったことだけが理由ではないだろう。チームの中心だった筒香嘉智が抜けたとはいえ、戦力的に手応えを感じているからに違いない。悲願のVに向けて、強い覚悟を持って開幕を迎える。 文=石塚隆 写真=BBM 
2020年、指揮官は口髭を蓄える。「NEW GENERATION IS “HIGE”(ヒゲ)だよ」と口調も滑らか
開幕直前まで続く先発投手の見極め
昨シーズン22年ぶりにリーグ2位となり、もはや優勝が義務付けられているといっても過言ではない
DeNA。選手たちは口々に目標を「優勝」と語るが、その口調からは昨年初めて優勝に肉薄した悔しさと自信が漂っており、これまでのシーズンとは趣が違うことが雰囲気として漂ってくる。選手会長の
石田健大は強い口調で断言する。
「一昨年は僅差でBクラス、そして昨年は0.5ゲーム差まで詰めていたのに2位。2年連続して1勝の重さを痛感しましたし、誰もが粘り強く戦うことを肝に銘じているはずです。そういう意味で楽しみなんですよ。今シーズンはいけるだろうって。そうじゃなきゃ逆にまずいなって」
機は熟したということか。
今季5年目となるラミレス監督も優勝がノルマだと実感しているはずだ。新型コロナウイルスの影響によりシーズン開幕が延期され先行き不透明な状況だが、冷静沈着な指揮官に動揺はない。
「開幕がいつになるか分からないが、われわれは準備をして待つしかない。ただポジティブにとらえれば、オープン戦中止などがあり、本来ならもうちょっと見てみたい投手を試すことができていない。例えば先発ならばスタミナを知るために5回は投げさせたい。開幕するまで(練習)試合はあるだろうから、そういった部分ではプラスに働くだろう」
確かに雨天で試合数が減ってしまった中、先発陣の見極めが遅れてしまっている印象だ。現在は開幕投手を務める予定の
今永昇太、
濱口遥大、石田健大、
平良拳太郎の4名が先発ローテーション確実と見られており、これに2年目の
上茶谷大河、ルーキーの
坂本裕哉が続く図式。また3年目のサウスポー
櫻井周斗が先発候補として積極的に試されており、長いシーズンを見越した準備が進められている。
リリーフ陣に関しては、ほぼ勝ちパターンは固まりつつあり、
国吉佑樹、
三嶋一輝、
パットン、
山崎康晃が順調に調整を重ねている。特に昨季71試合を投げ状態が懸念されていた三嶋の存在が光っている。アベレージ140キロ台後半のストレートを軸に、抜群のキレを持つスライダー、さらにブレーキの利いたカーブで効果的に三振を奪っており、今季もピンチの場面で獅子奮迅の活躍が期待される。
ただラミレス監督の・・・
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