次のステージを見据えて、木製バットでも調整を続けてきた/写真=田中慎一郎
花咲徳栄高は2015年の武田
愛斗(
西武4位)から19年の
韮澤雄也(
広島4位)まで、5年連続で選手をプロへと輩出している。6年連続となるドラフト指名の期待が高まるのが、主砲・
井上朋也である。高校入学早々の1年春からレギュラーの座をつかみ、2年からは四番。地元の大阪から埼玉の甲子園常連校の門をたたき、順調に成長を遂げてきた。
初めて甲子園の打席に立った1年夏の悔しさが糧となっている。鳴門高(徳島)との1回戦で3安打2打点と活躍し、迎えた横浜高(神奈川)との2回戦。4点リードされた9回に2点を返し、なおも二死満塁の好機に打順が回ってきた。一打同点の場面で空振り三振を喫し、試合終了。カウント3ボール2ストライクから外角低めへ逃げる球に手を出してしまい、肩を落として泣きじゃくった。
「ボール球を振るなというのは強く言われてきて。あの三振があったおかげで、ボール球を振らないという見極めの部分を意識してやるようになった」。いかに選球眼がポイントとなってくるか。身をもって感じたことで打席での集中力も変わった。甘い球ばかり狙っていた中学時代とは違い、厳しい攻めへの対応力も着実に向上。昨秋の県大会3回戦では両翼99メートル、フェンスの高さ4.8メートルの県営大宮球場で逆方向の右翼スタンドに特大アーチを突き刺した。「中学のころは、引っ張るという感じだったんですけど、外(の球)も待てるようになった」と成長の証である。
岩井隆監督も「良いレベルにはいますよね。やっぱり、1年生から出ているから、ちょっと鼻が高くなりそうな部分がありますけど、そういうことも見せずにやってくれている」と認めつつ、昨秋後にはより一層の飛躍を促すべく、井上へ2つのテーマを課した。それは・・・
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