最速157キロの直球、さらに高速カットボールを投じれば面白いように打者のバットが空を切る。プロ2年目の昨季、セットアッパーに君臨。リーグ2位の32ホールドを記録してブレークを果たした右腕だが、先発への思いが消えることはなかった。“3つの理想”を掲げる20歳が、新球習得にフォーム改良と、新たな自分を追い求めて、新シーズンに挑む。 取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一 明確な意図を持つ“2つの新球種”
先発再転向を見据えて、オフからシュート、チェンジアップの2球種の習得に励んできた。いずれも明確な意図がある。「新しい自分で勝負」と語る右腕を象徴する球種となりそうだ。 ――先発に対する強い思いは、先発再転向を志願したことからもうかがえます。
山本 中継ぎも、めちゃくちゃ楽しかったんですけど、やっぱり先発がしたかったんです。金子(金子弌大)さん、西(
西勇輝)さんが抜け、そこの枠に入りたい、と。先発への気持ちが強くなりました。
――先発再転向にあたって、必要だと感じるていることはありますか。
山本 監督、コーチや周りの方からも体力面をすごい心配されているので、そこですね。1年目は先発でしたが、5イニングしか投げていなかったですし。それから1年半経ち、自分自身では長いイニングも投げられると思っています。それを、しっかり見せていきたいです。
――やはり完投が目標になる?
山本 もちろんです。それに中継ぎをして実感したんです。先発に完投してもらうと、中継ぎは登板しなくて済むので、ラクになる。長いシーズンを考えたら、そういう日が多くあったほうがいい。1人の投手が最後まで投げ切って勝ったら、チームに勢いもつきますし。数字だけではなく、見えない部分での貢献も大きいんですよね。
――では、完投を目指す中で、何が大事になると考えますか。
山本 中継ぎと変わりなく1イニング、1イニングの積み重ねだと思うので、しっかり打者を一人ひとり抑えていくことです。そこは中継ぎでも先発でも同じ。その延長で長いイニングを投げていければいいと思います。
――先発では1試合の中で同じ打者と複数回の対戦がありますが。
山本 それを、どう抑えていくか・・・
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