週刊ベースボールONLINE

チームリーダーの矜持

阪神・福留孝介インタビュー 優勝もタイトルも狙う 「若手に話すことは、自分の中で反復して理解することにもつながる」

 

まだまだ阪神には欠かせない男だ。球界最年長43歳。だが打撃は誰にも負けないだけの勝負強さがあり、守備でも強肩は衰えていない。チームの精神的支柱として欠かせない存在だ。ときに厳しく、そして優しく若手に寄り添いながら、優勝に向けて経験のすべてをチームに捧げていく。
取材・構成=椎屋博幸 写真=小山真司(インタビュー)、早浪章弘


若手の考えを尊重する


 自ら若い選手に笑顔で声を掛け、ときに脅かしながら冗談を言う。目線を若手に合わせて話す姿に、若い選手たちも笑顔で応える。年齢差を超えチームに融和を与える存在。厳しい中にも優しさを持ち合わせたベテランが、チームをけん引している。

――今季は通常の開幕よりも9日ほど早く迎えることになります。WBCを2度経験している福留選手にとって、早めの調整法は分かっているのではないですか。

福留 WBCはどちらかというと急仕上げに近いところがありました。今回はオフに入る前から開幕日が前もって分かっていることですから……でもWBCを経験している分、現在の自分の体の状況というものを、そのときに照らし合わせることができる。そこの経験は生きているのかな、とは思いますね。

――照らし合わせる基準があるのは、ないよりも大きいですよね。

福留 もうちょっとペースを上げようとか、この段階なら何が足りない、とか分かりますからね。そう考えることができることは大きい。

――キャンプ中もそうですが、シーズンに入ると福留選手が、必然的にチームを引っ張っていく形になるのかな、と思います。

福留 いや、自分でチームを引っ張っていこうと、そこまで強くは思っていないんですよ。僕自身はいつもどおり普通にプレーしていくだけ。その中で、若い選手たちと考え方に相違が出てくる部分もあると思います。そこは彼らの考えを尊重しながら……頭ごなしというのはねえ。今の時代は昔と違うと思うのでね。それを尊重しながら「こういうこともあるんだよ」という話をして、どちらかというと若い選手たちの考え方の引き出しの一つになれたらいいなあ、と思うんですよね。

――若い選手たちの意見を尊重しながら……ひと昔前のような感覚とは違ってきていると感じていますか?

福留 まずは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング