新人ながら開幕先発ローテーション入りを見事果たしたのが、ドラフト3位入団の秋吉亮だ。中央学院大ではリーグ通算14勝を挙げ、パナソニックでは日本選手権4強。独特の右サイドスローから最速146キロのストレート、さらにチェンジアップ、スライダーを投げる期待の新人だ。

　開幕先発ローテーションの座を勝ち取った秋吉だが、オープン戦デビューは散々だった。中継ぎとして、2回を投げて7失点。普通の新人なら、ここで自信をなくしてしまいかねない大量失点。試合後、同じサイドスローで活躍した高津投手コーチと反省会を行う。

「2球投げて1-1、0-2のカウントを作らないと不利になる」と言われたことから、次の登板ではストライク先行を徹底。強打のソフトバンクを4回無失点、許した安打も1本とすぐに課題を克服し、結果を出した。

　次の阪神との練習試合でも先発。投げるたびに気合の雄たけびを挙げるなど気迫の投球で5回1失点。2試合連続の好投に、小川監督から「安心して見ていられる」と開幕先発ローテ入りを認められた。

　続けて結果を残した秋吉について、高津コーチは「自分の課題をきちんと分かっている。成長の跡が感じられる」と、修正能力の高さを評価している。

　秋吉本人も「ストレートで三振を取るのが自分のスタイルだから、当然三振は狙っていきたい。同時に、状況によって打たせて取るなど、幅広い投球ができるようにしたい」と話すなど、試合の中での微調整も心がけている。今後の課題に、ストレートのキレと変化球のさらなる精度向上を挙げた新人右腕。狙うは、昨年の小川に続く2ケタ勝利に新人王と意気込んでいる。