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又吉克樹投手・外国人強打者に一歩も引かず

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 攻める、えぐる、結果として当てることもある。又吉克樹の投球スタイルが、この結果にあぶり出されている。

「僕はサイドスローなので、特に右打者には踏み込まれてはやられてしまいます。もちろん、当てようと思って投げてはいないんですが、投げ切れずに甘く入るとこちらがやられてしまうので」

 ルーキーが任されているのは僅差の中盤だ。首脳陣は横手からの球威に早くから着目。意図的に中軸の外国人打者にぶつけてきた。阪神・ゴメス、マートン巨人・ロペス、ヤクルトバレンティンDeNA・ブランコに広島エルドレッド……。打撃3部門の上位に並ぶ力自慢の外国人は右打者が多い。対する又吉も一歩も引かない。14打数2安打、6三振(5月19日現在、投手は除く)。抑えている原動力は本人も話しているように死球も辞さない強気の投球だ。実際、3死球。逃げるくらいなら当てている――。

「少しずつ、試合での作り方が分かってきたというか。ブルペンのモニター画面で、前の打席を自分の目で見るようにはしています。スコアラーからもらった資料にプラスして、その日の打席の雰囲気が分かりますから」

 ベンチから声が掛かる出番のタイミングや準備のコツがつかめると同時に、直前分析ができるようになってきた。それをマウンドでの対決に生かしているようだ。

「とはいっても、自分では外国人打者に強いなんて思っていません。まだ始まったばかりですから。これからやられないように、必死で投げるだけですよ」

 日々、全力投球。敵の得点源を寸断するルーキーに、竜の逆襲もかかっている。

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