激戦を抜け出すため、着々と足場を固めてきた。5年目の
石川慎吾が猛アピールを敢行している。3月10日現在でオープン戦7試合で21打数11安打、打率.524。フルスイングをモットーとする最大のセールスポイント、思い切った打撃で結果を残している。
「しっかり結果が残せるように準備したい」
好調を維持しながらも慢心なく、開幕までの日々を過ごしている。
大穴の存在だった。石川慎の本職は外野手。大混戦が予想されたが、決して本命ではなかった。絶対的な中堅のレギュラー・陽の両翼を誰が奪うかが、チームの焦点の1つ。左翼には西川、右翼は3年目の岡、2年目の淺間と潜在能力抜群の若手らが並ぶ。石川慎は、それを追うグループの1人と目されていた。
タフな心身でレースを引っ張ってきた。岡と淺間がアメリカ・アリゾナ州でのキャンプで故障して、2次キャンプの沖縄・名護では二軍でのリハビリ調整へと脱落。西川も2月28日の
広島との練習試合で慢性的な不安を抱えている右肩を負傷して一時、実戦の出場機会を見合わせることになった。アリゾナでの実戦では計12打数1安打と低迷したが、腐らずにチャンスを待って浮上した。
昨季は
西武の
菊池雄星に好相性を誇るなど左腕キラーとして一定の立場を築いた。今季は開幕一軍の切符を奪うのは濃厚で、さらにステップアップを狙う。
ロッテとの3月25日の開幕3連戦(QVCマリン)では、チームが昨季苦手としたチェンの先発も有力。一気にブレークする出場機会も見えてきた。
「1年間ずっと一軍にいたい」
最初はささやかだった目標だが、その上まで見えてきた。