7月9日に一軍登録されたばかりのため『定着』とはまだ言えないが、早くも首脳陣から上々の評価を得ている
呉念庭。元台湾代表内野手だった呉復連が実父で、入団後すぐに「打撃がしなやかで柔らかい。盗塁のスタートの判断も素晴らしい」(宮地二軍打撃兼外野守備走塁コーチ)、「ボールを捕る際、懐が広く、ハンドリングも柔らかい」(黒田二軍内野守備コーチ)など、二軍首脳陣は二世選手の天性の“野球勘”に目を見張った。
そして、一軍では田邊監督から「初対戦の投手への対応が良く、タイミングが合わない形の三振がない。どんな投手にもアジャストできている」と賛辞の言葉を得ている。
指揮官も認めた対応力にも根拠がある。
「動画サイトなどで翌日対戦する投手の左打者への攻め方をじっくり見て、球種、決め球、コースの割合などを研究し、何を狙うかを決めています」
プロとして当然かもしれないが、予習を欠かさない勤勉さが呉の武器になっている。実際、二軍戦で成績が上昇したのも、この取り組みを始めてからだと明かす。結果、打率、安打数、盗塁数でリーグトップの数字を残し、イースタン6月度の月間MVPを受賞している。
「やっと少し一軍の環境に慣れてきました。特別なことをせず、ファームでやっていたことを一軍でも続けていけば、これからもっと打てるようになると思います」
攻守走、そして真面目さとDNAもそろった超逸材。今後の遊撃レギュラー最有力候補だ。