自己最高のシーズンから一転、わずか2試合の登板に終わった。春季キャンプでの出遅れが響いた
武藤好貴は、力を出せないままシーズンを終えた。昨季は中継ぎで60試合に登板。ブルペンを支える1人として期待も大きかっただけに、チームにとっても誤算だった。プロ6年目を迎える来年は、再スタートの1年となる。
出遅れがすべてだった。2015年オフに右ヒジをクリーニング手術。キャンプは二軍からのスタートだったが、3月中旬のオープン戦で一軍に復帰する青写真が描かれていた。しかし、状態を上げようと3月1日のブルペンで投げ込んだ際、右ヒジに痛みが出た。「投げ過ぎて痛めてしまった。来季は40~60試合投げられるように、準備していきたい」。悔しさは来季にぶつけるしかない。
決意を新たにするニュースは、11月に届いた。出身のJR北海道野球部の廃部。1909年(明治42年)に創部した伝統あるチームが、経営不振に台風被害も重なり存続できなくなった。「まだ同期もいたので、ビックリしました。(プロは)今は1人しかいないので、できるところまで頑張りたい。投げているところをテレビや新聞で見てもらえたら」。仲間たちの思いも背負い、マウンドに立つ。
今オフは、焦らず丁寧な体づくりを心がけている。
「しっかり体をつくって、キャンプで勢いよく投げられるようにやっていきます」
万全の状態でキャンプに入り、まずは開幕一軍を目指す。