岸がチームを去った。昨季チーム勝ち頭の12勝を挙げていることからも、新エース、そして、その証である開幕投手に最も近い存在は菊池雄星なのは間違いない。

　心強いのは昨季すでに大舞台を経験していることだ。勝ち星はつかなかったが、開幕のオリックス戦[西武プリンス]で6回までゲームを作り、チームの逆転勝利への流れを呼び込んだ。自身も当時「気持ちよかった」と話しており、再び格別な思いを味わえる夢のマウンドに立つ意欲は十分だ。

　一方で、「正直、まだ考えていません。今はオープン戦で結果を出し、いい形で開幕を迎えることだけを意識しています」と地に足をつけている。これまでは毎年12月からブルペンに入り、オフ中も投げ続け、キャンプ入りしてきた。だが、今年は初めて「1回体を休めて、3週間ぐらい投げない時期も作った」という。「岸さんに、『1年間、出し切ったと思えた年は投げたいと思って体がムズムズするまで休んだほうがいい。投げ過ぎるなよ』と言われていた」からだ。

「開幕ローテに入るようになり、一番大事なのは『最初の5試合』だ、と。開幕戦もそうですが、その最初の5試合で何勝できるか、内容はどうかなど、どういう入り方をできるかによって、気持ちの部分が大きく変わる。僕は、毎年最初があまり良くないので、今年はそこをすごく大事にしたい」