
一軍に身を置き、勉強の日々を過ごす谷川原
ピンチの裏返しはチャンスである。高卒3年目の
谷川原健太に千載一遇の一軍デビューのチャンスが巡ってきた。「(一軍は)初めての経験で楽しみや不安、緊張もある。受けたことのない投手も多いので。このチャンスを生かして、つかめるようにしたい」。初々しい表情を浮かべながらも、日々たくましく成長を続けている。
連覇を狙う
ソフトバンクのアキレス腱ともなりかねないのが捕手事情だ。キャンプ中に実績のある
高谷裕亮が右ヒジを痛め、クリーニング手術を受けた。同時期に伸び盛りの
栗原陵矢も左肩を脱臼。手術を受け、復帰まで6カ月と長期離脱が決まった。昨年、急成長した
甲斐拓也に頼りっきりの状況となっている。
とはいえ、捕手という特殊なポジションだけに2番手、3番手の台頭が欠かせない。甲斐が侍ジャパンの一員としてチームを離れたため、谷川原は3日の
阪神とのオープン戦初戦(ヤフオクドーム)で“開幕マスク”。
バンデンハークとのコンビを組んだ。「緊張したけど楽しめたところもあった。送球と、股の下を抜かしてしまったのは練習しないといけない」と表情を引き締めた。
甲斐の背中を追い、好投手の球を受けることでたくましくなっている。強打と俊足も売り。11日の
ロッテ戦(北九州)では先発マスクで二塁打をマークし、
荻野貴司の二盗も刺した。「自信になったけど、まだ(捕球で)ポロポロしているのが反省です」。2年間で二軍戦の出場も13試合のみ。開幕一軍に向けて、猛アピールを続けている。
写真=湯浅芳昭