
今季プロ9年目を迎える後藤駿太。明確なテーマを持ってキャンプを送った
2011年のドライチが、打撃改革を打ち出してキャンプを過ごした。
掲げたテーマは「振り過ぎないこと」。全力でスイングするのではなく、うまく力を伝えることを意識してバットを振り込んだ。「状態が悪いときは左足が回転する。力が逃げないように、左足に力を残して振る。胸を相手投手に見えないようにすることです」とポイントを挙げる。
13年~17年まで5年連続で100試合以上に出場。レギュラー確保を狙った昨季はシーズンの大半が二軍暮らしと悔しさを味わった。わずか33試合の出場で打率.216、本塁打ゼロ。高卒1年目で開幕スタメンを果たした逸材は、プロ入りから課題の打撃を克服できずに苦しんだ。
「悪循環なのですが、打ちたいから持っている力を全部出そうと振っていた」とスイングの型が崩れていた。オフは「(2019年でプロ)9年目。納得する形で気づいたことをやっていくほうが自分のためになる」と打撃を見つめ直してキャンプインした。
左翼は昨季ベストナインの
吉田正尚、右翼は2年連続25本塁打以上の
ロメロが有力。
小田裕也、
武田健吾、
西浦颯大らで争う中堅争いは熾烈だ。球界トップクラスの守備力を持つ後藤にとって打撃向上がカギ。
2月10日に行われたキャンプ初の紅白戦では右前打を放ち、盗塁も決めた。
「早いかもしれないが、公式戦のつもりでやっている。生き残るためにはこの時期の印象付けが大事」
昨年の雪辱に燃える25歳が今季こそレギュラーを奪取する。
写真=佐藤真一