マウンドを降りればスマイル全開。ギャップも高橋礼の魅力の1つだ
主力の故障離脱者が続出しても、チームはリーグ首位で令和を迎えた。そこへ押し上げた原動力の1人が2年目のサブマリンだ。4月21日の
西武戦(メットライフ)。先発の高橋礼が、6与四球と制球に苦しみながらも5回を2失点に抑えた。この白星で開幕から4戦4勝。開幕直前にギリギリで先発ローテに滑り込んだ男が、1カ月弱の間に1人で4つの貯金を作り出し、4月下旬の単独首位浮上に貢献した。
首脳陣の想像を超す急成長だ。昨季はシーズン終盤から西武とのCSを含めた4試合に先発し、4回2/3を投げたのが最長。ハイレベルな競争の中、実績や経験を考えても開幕先発ローテ入りは微妙な状況だった。だが、オープン戦最終戦の粘投で最後の1枠をつかみとると、3月31日の西武戦(ヤフオクドーム)で6回1失点と好投しプロ初勝利を上げた。
「ちゃんとやることをやれば勝ちが付いてくるんだなと思った」と、初勝利がサブマリンを勢いづかせた。4月7日、14日はともに7回1失点。防御率も1点台で3、4月度の月間MVPも狙えるほどチームに貢献した。4勝後に出場選手登録を抹消されたが、これは首脳陣からの信頼が一気に高まった証し。
工藤公康監督は「彼がいなくなっては困る」と、先発ローテ入りという初めての経験による疲労と、長いシーズンを考慮してのものだった。
復帰2戦目、5月16日の西武戦(ヤフオクドーム)では、自身最長8回を1失点で5勝目をつかんだ。高まった信頼に今後も応えていく。
写真=湯浅芳昭