ベテランらしい安定した投球を続けている
10年ぶりの古巣復帰で、結果を残し続けている。
五十嵐亮太だ。2010年からメジャー・リーグに挑戦し、13年から
ソフトバンクに在籍。昨季は椎間板ヘルニアの影響もあって23試合の登板にとどまり、0勝1敗、防御率4.50の成績で、自由契約となった。
そんなときに手を差し伸べてくれたのが古巣・
ヤクルトだった。今年1月の入団会見時には「まさか戻れるとは。このユニフォームを着てやれる喜びがある。やってやるぞという気持ち」と意気込んでいた。その言葉どおり、チームの勝利に貢献している。
開幕から一軍に帯同。4月5日の
中日戦(神宮)では、ヤクルトで約10年ぶりの勝利を挙げ、万感の思いでお立ち台に立った。「去年の今ごろや、オフのことを考えて目頭が熱くなった」と苦しいリハビリを乗り越えてきたからこそ、こみ上げてきたさまざまな思い。その後も、恩を返すかのように好投を続けている。
平成最後の試合となった4月30日の
DeNA戦(横浜)では、同点の9回に登板。1回を無失点に抑えると、味方が延長10回に勝ち越したため、5勝目を手にした。球界で4月に5勝を挙げたのは14年の
オリックス・
西勇輝以来5年ぶりで、球団では75年の
安田猛以来、44年ぶりの快挙。すべてリリーフ登板で白星を重ねた。
5月26日の時点で22試合に登板し、5勝0敗、防御率2.45。5月28日に40歳を迎える、日米通算22年目のベテラン右腕が、不振のチームを鼓舞する。
写真=BBM