
一番打者として塁に出ることで相手にプレッシャーをかけていく近本。目標の盗塁王を実現させるつもりだ
積極野球の先頭に立ってきたのは
近本光司だ。ここまでルーキーが起点になることで競り合いに勝つケースが多かった。
開幕直後から「一番」に座って盗塁を量産してきた。矢野監督も「近本が走る姿を見たいというファンが増えるかもしれない」と言う。現状で
中日・大島、
ヤクルト・山田哲らと盗塁数を競っている。このままいけば球宴に名を連ねる公算も高くなってきた。
5月4日の対
DeNA戦(甲子園)で10個目の盗塁を決めた。
阪神ルーキーでは2001年赤星以来の2ケタに乗せる快足を証明したのだ。「自分は相手に警戒されればされるほど有利に立てると思っています。外されれば走らなくていいわけですし、相手をみながらやっていきたいです」
2ケタ盗塁に関しては、赤星が72試合に到達したのに対し、近本は32試合だから、いかにハイペースで積み上げてきたのかがうかがえる。
13試合連続安打の球団新人記録を更新した時期からすると、試合を重ねるごとに相手投手の攻め方も厳しくなってきた。3割を超えた打率も交流戦以降、急下降した。それでも矢野監督は「近本が機能することで打線のリズムもできる」と信頼を置く。
ただ盗塁18、得点42はチーム最多で、三塁打はリーグ最多(6月27日現在)。近本の足がチーム得点力の原動力になっていることに変わりはない。虎の快足男は「これからも気を引き締めてプレーしたい」と走りまくるつもりだ。