ルーキーイヤーからの先発ローテ入りも期待される河野
ドラフト1位の矜恃を感じさせるマウンドだった。2月15日、二軍キャンプ地の沖縄・国頭。毎年恒例の一、二軍合同の紅白戦で白組の先発を任された
河野竜生の投球は圧巻だった。先頭バッターの片岡を空振り三振、続く石井は遊ゴロ。
ビヤヌエバにはこの日の最速149キロの真っすぐで見逃し三振。内容、結果、インパクトの3拍子がそろった全11球。即一軍昇格が決まった。
社会人No.1左腕の評価は本物だった。プロ初の実戦マウンドで投手本能のスイッチが入ったようだった。目が大きく、端正なイケメンが鬼の形相のように闘争心むき出しの戦う表情に変わっていた。
「1つの通過点としては順調にきていると思います」。コメントにも実感がこもる。見守った栗山監督も「さすが修羅場をくぐってきているだけある」と絶賛。実戦で力を発揮できるメンタル、あらかじめ決まっていたデビュー登板に合わせられる調整力。期待はまた一気に高まった。
チームにとっても加藤に続くサウスポーの先発候補の台頭は朗報だ。「強気の投球が持ち味」と語る河野が並み居る強打者がそろうパ・リーグで、臆せず攻める投球ができるのか。一軍昇格で試されるのは、そのあたりの投げっぷりになるだろう。
高校時代は3年連続で夏の甲子園に出場して登板も果たし、社会人でも毎年全国大会を経験。大舞台での経験値は豊富でプロでも順調に船出できれば、新人王の筆頭候補になる活躍も期待できそうだ。
写真=BBM