本塁打が増えれば、三冠王も決して夢物語ではない
弱冠20歳ながら、初の戴冠に向けて快音を響かせている。
村上宗隆は9月9日現在、リーグ2位の打率.329、リーグ4位の50打点。首位打者&打点王の二冠達成も十分に狙える位置につけている。
2年目の昨季は36本塁打、96打点を記録して新人王に輝いた。「昨年の143試合の経験が今年に生かされていると思います。配球にしろ、球筋にしろ、たくさんの投手を見させていただいたので」とチームで唯一全試合に出場したシーズンの経験を糧としている。
今季特に向上した面は、確実性だろう。昨季は打率.231、184三振で、出塁率は.332と決して高くなかった。だが、今季は打率もさることながら、出塁率も.435(9月9日現在、リーグトップ)と、ともに1割以上上がっている。
「出塁することによって、チャンスがたくさん増えると思う。(走者を)かえすだけが仕事じゃない。選手としてやるべきこと、貢献の仕方はいろいろある。打つだけじゃなく、いろいろなところで貢献できたらと思う」と村上。主砲として打点を稼ぐことは責務の一つ。だが、中心選手としてさまざまな役割を担う覚悟を持ち、打席に入っている。
村上が尊敬し、オフシーズンの自主トレーニングにも同行する
青木宣親も「すごく進歩している。この年齢であれだけ確実性が増せば、今後も楽しみ。あとは本人の自覚だけだと思う。伸びる要素はいっぱいある」と成長を実感。今後のさらなる飛躍に太鼓判を押す。
狙うは首位打者か、打点王か。それとも二冠か。本塁打の数が伸びてくれば、三冠も夢ではない。無限の可能性を秘める20歳から、目が離せない。
写真=BBM