エースナンバー『18』が板に付いてきた。25歳右腕は8月以降、13試合に投げて9勝2敗、防御率2.63の好成績を残した。それでも、本人は開幕直後に振るわず、1カ月間を二軍で過ごしたことに「シーズン序盤がすごくふがいなかったので、その部分の悔しさの方が大きい」と率直に語る。
シーズン最終登板となった11月7日の
オリックス戦(ZOZOマリン)は、6回を3安打1失点と好投し、チームのクライマックスシリーズ(CS)進出の望みをつないだ。
「負ければCSの可能性が低くなるので、緊張感はすごかった」
昨季は
西武とのシーズン最終戦(ZOZOマリン)で2回途中5失点と崩れ、チームはCS進出を逃している。同じようなシチュエーションで、ひと回り成長した姿を示した。
いつでもストライクが取れる制球力が武器だが、シーズン序盤は球に威力がなく、簡単にはじき返されていた。二軍調整に入った際に、右足の親指が浮き、力をロスする悪癖を修正。一軍に再昇格してからはストライクゾーンで勝負できるようになり、4試合連続で無四球投球という離れ業も披露した。
昨季までは登板翌日に
吉井理人投手コーチとともに『振り返り』と呼ばれる反省会を行っていたが、今季は一人でやるようになった。吉井投手コーチは「自分でいろんなことに気付きながらやっている。お兄ちゃんになったなと思う」と目を細める。
今季は新型コロナウイルス感染拡大による観客数制限などで、各球団は厳しい経営を強いられている。しかし、河合克美オーナー代行兼球団社長は「貢献してくれる選手にはきっちり評価する」と明言。今オフの推定年俸4600万円から、大幅昇給するのは間違いないだろう。
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