今週号は、発行の日付が1月4日・11日となる合併号。もう2016年だ。思えば新聞記者になったのが1973年。その間、いろんなことがあったが、いろんな同業者とも付き合ってきた。まあ、新聞記者というのは時間にはだらしがない種族で(締め切りだけはシブシブ守りますが)、「オレは満員電車での通勤がイヤだったから新聞記者になった」という手合がずいぶんいた。特に運動記者に多かった。
そんなヤツらの書いたものを読まされる読者こそいい迷惑だが、中には立派な記者も少なからずいた。筆者が尊敬する3人の名文記者がいる。朝日新聞の土原剛、サンケイスポーツの田村信三郎、そして、東京
中日スポーツの高田実彦の3記者だ。後楽園球場の記者席の土原さんの前には、必ず『公認野球規則』が置いてあったし、田村さんの前には英和辞書、高田さんは目の前の原稿用紙に恐ろしいスピードで記事を書きまくった。これでお3方の持ち味が、何となく想像できるのでは。
土原さんは中大で野球をやった人で、とにかく野球そのものに詳しい。田村さんは早大英文科出身で、卒論がヴァージニア・ウルフという人。読書量がすごかった。高田さんは、野球担当記者になったのは遅かったが、その表現力は素晴らしく、作家志望だったとか。その筆のスピードは、古い人に言わせると・・・
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