ソフトバンクの日本一で幕を閉じた2017シーズン。熱戦が続いたが、球団ごとに「投手力」「攻撃力」「守備力」に分けて振り返っていく。 投手力 PITCHING REVIEW

今永はプロ2年目で2ケタ勝利に到達
セ・リーグ3位
◎143試合 73勝65敗5分 勝率.529
◎ホーム38勝29敗4分、ビジター35勝36敗1分
◎交流戦9勝9敗0分 勝率.500 7位
2ケタ勝利が3人と近年になく先発投手陣は充実していた。勝ち頭の
今永昇太は2年目で11勝をマークし、チームのエースと呼ぶにふさわしいまでに成長した。QS率80.9%の安定感を誇った
ウィーランド、ルーキーながら堂々とした投げっぷりの
浜口遥大もそろって10勝に到達し、2年連続のAクラス入りに貢献した。
この3人に
石田健大、
井納翔一を加えた5人を先発ローテの軸に、ベテラン・
久保康友、若手・
飯塚悟史らがそろい、先発はある程度計算が立った。
ウィークポイントはリリーフ陣だった。セットアッパーの
パットン、クローザーの
山崎康晃を除けば、中継ぎ陣は、
三上朋也、
砂田毅樹、
田中健二朗、
須田幸太ら4点台、5点台の防御率。シーズン中は勝ち試合を何度か中盤でひっくり返された。シーズン終盤には
日本ハムからエスコバーを獲得し、補強を図ったが、CS、日本シリーズを通じて不安は拭えなかった。
攻撃力 HITTING REVIEW

初の規定打席に到達するとともに、首位打者に輝いた宮崎
打率.252、本塁打134はともに
広島に次ぐリーグ2位だがロペス、
筒香嘉智、
宮崎敏郎のクリーンアップの存在感が際立った。今季は主砲・筒香のみならず、ロペスが打点王、宮崎が首位打者のタイトルを獲るなど、それぞれが個性を発揮し相手にプレッシャーを与え、味方の投手陣を強力に援護してきた。
このクリーンアップの働きがチームを19年ぶりの日本シリーズへ引き上げたと言っても過言ではない。中軸につなぐチャンスメーカーは一番・
桑原将志が役割を担った。シーズン中には何度か調子を落とすこともあったが、九番・
倉本寿彦とともに
ラミレス監督の我慢強い起用に結果で応えた。
その一方で、日本シリーズではソフトバンクの手堅い攻撃を見せつけられた。ともにリーグ最少の犠打(84)、盗塁(39)は見直しが必要だろう。ラミレス監督も来季へ向けて「スモールベースボール」への本格的な転換を示唆している。
守備力 FIELDING REVIEW

俊足を生かした広い守備範囲でゴールデン・グラブ賞を初受賞した桑原
失策数は82(2015年)→73(16年)→66(17年)と年々減少しており、ラミレス監督が就任時から掲げている、当たり前のことを当たり前にやるという「凡事徹底」が浸透しているようだ。
ゴールデン・グラブに選出されたロペス、桑原将志のほかにも宮崎は三塁で.970と高い守備率を誇り、後半二塁に定着した
柴田竜拓は広い守備範囲と球際に強いプレーでチームのピンチを救った。チーム守備率.988でリーグ2位まで上がってきた。
捕手は昨年レギュラーをつかんだ
戸柱恭孝がリーグワースト2位の5個の捕逸、盗塁阻止率も.353と決して高くない。
嶺井博希、
高城俊人の2捕手と切磋琢磨してレベルアップを図らなければ優勝は見えてこない。CS、日本シリーズでは、数字に表れない小さなミスや、プレッシャーのかかる場面での失策が勝敗に直結することを学んだ。この経験を来季につなげたい。
【2017年の主な達成記録】
◎通算100本塁打=ロペス、3月31日対
ヤクルト(神宮)、プロ野球280人目
◎通算1000安打=
田中浩康、7月8日対
中日(ナゴヤドーム)、プロ野球287人目
◎通算300犠打=田中浩康、8月18日対
巨人(東京ドーム)、プロ野球6人目
◎初打席本塁打=
細川成也、10月3日対中日(横浜)、プロ野球61人目
◎高卒新人野手の日本シリーズ初打席安打=細川成也、日本シリーズ第1戦10月28日対ソフトバンク(ヤフオクドーム)、プロ野球初