
インタビューを受けながらも、感じたことがあればすぐにメモをとっていた巨人・片岡二軍守備走塁コーチ
ユニフォームのズボンには、必ず後ろポケットがついている。よくよく考えるとプレーするには関係ないため、必要ないと思ってしまう。だが、雨が降る中での試合では、ロジンを入れたりできる。昔なら、帽子を折りたたんで入れたりしていた。
そのポケットを一番フル活用しているのは、コーチ陣ではないかと思う。
阪神の育成コーチになった
新井良太コーチは「選手の特長や、打撃のときに注意しているポイントを聞いてノートにそれを書いています。人数が多いので覚えきれない部分もありますし、しっかりと自分で確認するためにも、書き留めてその選手が打撃練習をしているときに、ポケットからノートを取り出しパッと見て確認するようにしています」と語っていた。
巨人の二軍守備走塁コーチとなった
片岡治大コーチも「ほかの人の話を聞く中で、これは教えるのにいいな、と思ったことはすぐにメモできるように、いつも持って歩いています」。片岡コーチに関してはインタビューされている最中でも「これは」と思ったことをサッとメモにとっていた。このメモは、後ほど整理してノートを作成していくという。
2人とも現役時代のときよりもノートに書く量が増えたという。コーチなら当たり前のことであるが、書くこともコーチの仕事のひとつになる。コーチを経験した
藪恵壹氏やデーブ大久保氏のメモノートを見せてもらったことがあるが、その情報量の多さに驚かされ、細かく整理され見やすく書き込まれたノートの仕上がりの素晴らしさには感心させられた。
17年オフから就任した2人の新米コーチたちは、若い選手たちが自分たちのように一軍で活躍できるようにサポートしていくことになる。彼らの行動や話を聞いて、教えると同時に「書く」こともまたコーチングにおいて重要な部分だと、再認識させられた。
文=椎屋博幸 写真=桜井ひとし