今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『クローズアップ・奮闘するカープのうちわ話』
今回は『1960年7月27日号』。定価は30円だ。表紙はチラリと見える胸毛がセクシーな巨人・長嶋茂雄。低迷が続く前年までリーグ5連覇の巨人に対し、巻頭特集で『巨人における三悪追放』。編集部が評論家、ファンに取材した中で浮かび上がった問題点が3つあった。
その1、選手のだらしなさ、根性のなさ。巨人の選手は野球貴族になっている。
水原茂監督が檄を飛ばしても、馬耳東風。へらへらしている選手がいるらしい。
その2、エースとなった
堀本律雄と二番手の間の差。
これは世代交代の時期にあったこと、
藤田元司、
堀内庄の故障もあって致し方ない面もあるが、6月20日で16勝6敗の新人・堀本におんぶに抱っこの状態。堀本はピッチングだけでなく、打席でも必死に粘り、孤軍奮闘、勝利への執念を見せている。
その3、巨人の攻撃陣がチャンスでしぶとさに欠ける。
その1とも重なるが、ホームランばかり狙う、ホームラン病にかかっている選手が多い。
セは空前の大混戦が続き、『クローズアップ・奮闘するカープのうちわ話』もあった。5位ながら
広島は巨人、
阪神に3タテの6連勝を飾り、広島市民球場も大盛況のようだ。
一方、首位の
中日にも火種があった。『杉下監督と森の間は不仲というけれど』を読むと、
杉下茂監督と四番打者・
森徹の確執は深刻だったようだ。
長寿連載となる『
佐々木信也の連載対談』(特にひねったタイトルはなく、直球)がスタート。若くして現役を退いた元高橋ほかの佐々木がホスト役で、第1回のゲストは阪神の
小山正明。ただ、「ゆらぐ伝統ささえる右腕」のタイトルから分かるように、この時点で阪神は最下位。出だしも、
佐々木 野球の話をするのは嫌でしょう(笑)。
小山 そう、タイガースのものをつかまえて、いま野球の話をしても始まらんですよ。なにしろドンジリですからね(笑)。
とさえない。
また、タイガースがロードに弱い理由について、
小山 食べ物がやっぱりね。こんなことを言うと旅館から文句いわれるけど、遠征に行くとしょっちゅうおいしいものを食べさせてくれるとこを探して、食べ回るんです。肉なんかもう、旅館の料理をとれば滅多に出てこないです。たまに出れば、それこそチューインガムみたいな肉で(笑)。
と愚痴があった。
以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。
現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。23日、長嶋茂雄巨人終身名誉監督の取材をしてきました。
では、またあした。
<次回に続く>