
2002年は18試合に登板
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか紹介していく。今回は3月10日だ。
オリックスの
岩下修一が2002年3月10日、教育リーグの近鉄戦(藤井寺)で約8カ月ぶりの実戦マウンドに立った。
入団1年目から貴重な中継ぎ左腕として活躍したが、プロ2年目の2001年7月、体のだるさから病院に行くと、急性骨髄性白血病の診断で4カ月の入院。春季キャンプからチームに復帰していた。当時のインタビューでこんなことを言っている。
「復活と言われるのは構いませんが、奇跡というような言い方はしてほしくないですね。奇跡というのは、だれもが無理だ、と思ったことが起きたとき使う言葉でしょ。自分自身、病気は治ると確信していましたし、当然、野球もできると思っていた。だから、奇跡と書かれるのは嫌いですね」
岩下は打者2人をあっさり切って取り、復活のマウンドを飾った。さらに中2日で13日、同じ教育リーグのダイエー(現
ソフトバンク)戦の7回1イニングに投げ、三者凡退の好投。「マウンドに上がって打者との感覚を確かめられるようになった」と手ごたえをつかんだようだ。
病み上がりとあって心配する周囲をよそに、岩下は「目標は開幕一軍です」と燃えていた。
写真=BBM