投球術が冴え、阪神にリベンジ
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月17日だ。
2007年、24年目を迎えていた
山本昌の初登板は4月3日の
巨人戦(東京ドーム)だったが、7失点で5回途中KO、続く10日の阪神戦(甲子園)も中盤に5失点で沈んだ。
だが、「とにかく気持ちで負けないように。それだけでした」と投げた4月17日の阪神戦(ナゴヤドーム)で見事リベンジを果たす。終わってみたら散発3安打、41歳8カ月という史上2番目の高齢完封で通算192勝目を飾った。
試合後、
落合博満監督は、らしい辛口コメントを残している。
「のらりくらりいかなきゃどうしようもないピッチャーなんだから。昔から力でいけるピッチャーじゃない。といっても、ある程度、真っすぐが走ってなきゃな」
同年は、終わってみたら、わずか2勝。本人は引退も覚悟したというが、辛口の落合監督は首にしなかった。
さらにいえば、この男の最年長記録伝説は、これで終わりではなく、むしろ幕開けであった。
60歳を過ぎて140キロに迫った元
ロッテの
村田兆治もそうだが、節制を続けてきた人間の力は、実はわれわれが思うより年齢に影響されないのではないか、とも思う。
要は「もういいや」と気持ちが切れるまで、人は戦い続けることができるのでは、ということだ。
もちろん、これは2度目の登板が近づく、
中日・
松坂大輔への期待も込めた話だ。
写真=BBM