
喜びを爆発させる英智
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月8日だ。
現
中日外野守備走塁コーチ。現役時代は俊足と驚異的な肩の強さで“守備の人”として
落合博満監督時代の中日で活躍した外野手が、英智(蔵本英智)だ。
04年には107試合の出場ながら落合竜初優勝に貢献し、ゴールデン・グラブにも輝いているが、バッティングでのキャリアハイは打率.278の07年だった。
開幕から代打、代走、守備固めが多かった英智だが、5月に月間打率.417でスタメンを奪取して迎えた6月8日、交流戦の
西武戦(ナゴヤドーム)がそのハイライトになる。
試合は6対5と中日リードで9回表西武の攻撃となるも、守護神・
岩瀬仁紀が逆転2ランを浴びる。その裏、二死一、二塁で打席に入ったのが、この日、4打席無安打(1死球)と当たっていなかった英智だ。
球場にややあきらめムードが漂う中、英智が西武・
小野寺力のストレートをとらえ、ライト線への三塁打。走者2人がかえって中日のサヨナラ勝ちとなった(8対7)。
「積極的に行くのが、僕のベースボールスタイル。うまく抜けました」(英智)
英智は、その後も好調を維持したが、終盤故障離脱。落合監督は
巨人に届かず2位に終わった理由の1つに英智の離脱を挙げた。
なお、スタイルで思い出したが、英智は引退後小社から『英智スタイル48』という書籍を出し、自らイラストも描いていた。
写真=BBM