
マウンドでぼう然とする石毛
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月10日だ。
快速球を武器に第二期
長嶋茂雄監督時代前半の
巨人で抑えに君臨した
石毛博史。ただ、制球の甘さもあって、走者を出しながら最後はなんとか抑えるという展開も目立ち、一部では「石毛劇場」とも言われた。
その後、徐々に救援失敗が増え、ベンチの信頼を失い、96年オフ、近鉄・
石井浩郎との交換トレードで
吉岡雄二とともに近鉄に移籍となった。
近鉄では、
小林繁投手コーチとマンツーマンでフォームの矯正を行い、先発に回って、まずは3試合で2勝と順調なスタートを切ったが、その後、KOが続き、6月10日
西武戦(大阪ドーム)は、いわばラストチャンスだった。
この試合、石毛は荒れに荒れる。初回先頭打者から4者連続四球で押し出し1失点、暴投で2失点目、さらに四球。5者連続四球は史上9人目、初回先頭打者からは4人目だったが、2リーグ制後は初めてだった。
ここで降板となった石毛は、そのまま二軍降格。
「仕方ないです。ファームで結果を出して、また使ってもらえるように頑張るしかありません」と肩を落とした。
写真=BBM