お立ち台は、杉山(左)と矢野だった
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月16日だ。
現在借金3ながら3位の
阪神。前回優勝が2005年だから、すでに「優勝から遠ざかり度」では、
DeNA(98年以来)、
オリックス(96年以来)に次ぐ長さになる(
ロッテは05年だから一緒)。
2リーグ制後で見ると、阪神の優勝は62、64、85、03、05年。連覇がなく、間が長いが特徴のようになってしまった。
62、64年はいずれも競り合いだったが、85、03、05年優勝の特徴は「独走」。85年は2位
広島に7ゲーム差、03年は13.5、05年は10ゲーム差をいずれも2位
中日につけた。
独走でなければ優勝できない、が伝統になると、少しやばい。今季は首位広島に7ゲームだが、奇跡の逆転優勝で、この悪しき伝統をストップさせたいものだ。
今回は現時点では阪神最後の優勝。05年7月16日のゲームをプレーバックしよう。
甲子園での広島戦。先発の
杉山直久は7回を1失点の力投で5勝目を挙げた。龍谷大から自由獲得枠で入団。背番号18をもらったが、1年目0勝、2年目2勝と伸び悩み、05年は3年目だった。
実は、この月の4日、杉山の大学時代の大親友が白血病で亡くなった。「どうしても勝ちたかった。あいつにウイニングボールを渡したかった」と杉山。大親友の霊にささげる1勝となった。
打のヒーローは、杉山を好リードした
矢野輝弘。先制の2点タイムリーで杉山を援護した。
阪神は、これで貯金「20」。V確率がまた上がった。
なお杉山はこの年9勝、これが現役時代を通じてのキャリアハイとなる。
写真=BBM