
プロ4年目の変則左腕投手
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月25日だ。
7月25日、この試合に敗れたら
西武は本拠地西武ドームで近鉄3連敗の屈辱となり、首位を走っていたダイエーの姿が遠くなる。
このあとがない試合で西武が先発に贈ったのが左腕・
帆足和幸だった。
この年、開幕から先発に入って4勝していたが、その後、調子を落とし、中継ぎへ。さらに6月12日の登板を最後にファームで調整となっていた。
この日は、序盤首位に立っていた西武が2位に落ちた日でもあった。
25日は帆足にとって一軍昇格後、初登板。1回表は硬さがあったのか3安打で2点を奪われたが、味方がその裏に2点を返してくれたことで楽になった。
「自分の投球をすることができた」と2回から6回まではパーフェクト。
この間に味方打線は大爆発して2ケタ得点。これで
伊東勤監督も帆足を代える理由がなくなり、プロ4年目で初の完投勝利となった(13対4)、5勝はプロ最多。「完投なんて考えていなかった。下にいた間は苦しかったです。うれしい」と帆足。
帆足はその後、再び中継ぎに回った時期もあったが、最終的には10勝をマーク。チームはダイエーに4.5ゲーム差の2位で終わったが、できたばかりのプレーオフで3位
日本ハム、1位ダイエーを撃破し、優勝。そのまま日本シリーズでは
中日を破って日本一に輝いた。
写真=BBM