
初先発で3本の本塁打を浴びた江川
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1979年6月2日だ。
入団時の騒動のペナルティで春季キャンプに合流せず、開幕後の4月7日に
巨人入団発表をした
江川卓。一軍登録は5月31日まで自粛し、二軍で2試合に登板してからこの日の一軍初登板初先発を迎えた。
相手は因縁の
阪神。練習では後楽園球場に大挙してやってきた阪神ファンにヤジられた。試合開始。江川はマウンドに立つと、まずは観客に向かい頭を下げる。それに拍手と歓声、逆に罵声も飛ぶ。
江川は3回までゼロに抑えたが4回にスタントンにソロを浴び、3対1とリードして迎えた7回には
若菜嘉晴にソロ、そして二死から
ラインバックに3ランで逆転される。結局、8回5失点で敗戦投手に。スピードガンの最速は138キロだった。
「(本塁打は)いずれも甘い球。プロはコースもスピードも、ちょっと甘ければ持っていかれる。力負けです。いい勉強になりました」
注目を浴びた江川の初登板。テレビ視聴率は36.4パーセント、ラインバックの逆転3ランの際は46.8パーセントだった。
写真=BBM