野球の華は得点が入る場面だ。ファンを熱狂の渦に巻き込んだ強力打線は時代を超えて語り継がれる。
西武の「山賊打線」、
巨人の「史上最強打線」、横浜(現
DeNA)の「マシンガン打線」、ダイエー(現
ソフトバンク)の「ダイハード打線」……あなたはどのチームの布陣を最強打線に選ぶだろうか。
・巨人 史上最強打線(2004年)
【スタメン】
(二)
仁志敏久 137試合出場 打率.289、28本塁打、60打点、3盗塁
(左)
清水隆行 135試合出場 打率.308、16本塁打、60打点、4盗塁
(中)ローズ 134試合出場 打率.287、45本塁打、99打点、3盗塁 ※本塁打王
(右)
高橋由伸 109試合出場 打率.317、30本塁打、79打点、1盗塁
(三)小久保裕紀 125試合出場 打率.314、41本塁打、96打点、0盗塁
(一)
ペタジーニ 117試合出場 打率.290、29本塁打、84打点、2盗塁
(捕)
阿部慎之助 108試合出場 打率.301、33本塁打、78打点、0盗塁
(遊)
二岡智宏 91試合出場 打率.269、9本塁打、49打点、0盗塁
【控え】
(一)
清原和博 40試合出場 打率.228、12本塁打、27打点、0盗塁
(三)
江藤智 55試合出場 打率.227、4本塁打、15打点、1盗塁
(二)
元木大介 55試合出場 打率.240、2本塁打、13打点、0盗塁
(中)
鈴木尚広 57試合出場 打率.273、0本塁打、1打点、9盗塁
チーム本塁打がNPB史上最多の259本を記録。タフィー・ローズが本塁打王を獲得し、ダイエー(現ソフトバンク)から移籍1年目の小久保も球団史上初の右打者で40本塁打を放つなど、打線全体で本塁打を打ちまくった。四番で長年活躍し続けた清原、江藤が控えに回る重厚な打線で、チーム総得点738点は球団史上最多。チーム盗塁数はリーグワーストの25だったが、豪快な打線にロマンがあった。
堀内恒夫監督就任1年目でチーム防御率4.50と投手陣がピリッとせず、3位に終わった。
・西武 山賊打線(2018年)
【スタメン】
(中)
秋山翔吾 143試合出場 打率.323、24本塁打、82打点、15盗塁 ※最多安打
(遊)
源田壮亮 143試合出場 打率.278、4本塁打、57打点、34盗塁
(二)浅村栄斗 143試合出場 打率.310、32本塁打、127打点、4盗塁 ※打点王
(一)
山川穂高 143試合出場 打率.281、47本塁打、124打点、0盗塁 ※本塁打王
(捕)
森友哉 136試合出場 打率.275、16本塁打、80打点、7盗塁
(右)
外崎修汰 119試合出場 打率.287、18本塁打、67打点、25盗塁
(三)
中村剛也 97試合出場 打率.265、28本塁打、74打点、1盗塁
(指)
栗山巧 114試合出場 打率.256、8本塁打、52打点、1盗塁
(左)
金子侑司 111試合出場 打率.223、1本塁打、34打点、32盗塁
【控え】
(捕)
岡田雅利 52試合出場 打率.272、3本塁打、7打点、0盗塁
(指)
メヒア 82試合出場 打率.212、9本塁打、21打点、0盗塁
(左)
木村文紀 75試合出場 打率.260、3本塁打、12打点、7盗塁
プロ野球歴代3位の792得点を叩き出した「山賊打線」。浅村が球団記録の127打点で打点王を獲得した。出塁率、長打力、機動力とすべての面で他球団を圧倒し、投手陣は脆弱だったがプロ野球史上初の最多失点、最低防御率、最多失策でリーグ優勝を飾った。クライマックスシリーズではソフトバンクに2勝4敗で敗退。浅村が抜けた翌19年も山賊打線の破壊力は衰えず、リーグトップの756得点で2連覇を達成した。
横浜・ローズ
・横浜 マシンガン打線(1999年)
【スタメン】
(遊)
石井琢朗 131試合出場 打率.292、8本塁打、58打点、39盗塁 ※盗塁王
(中)
波留敏夫 130試合出場 打率.298、15本塁打、70打点、21盗塁
(左)
鈴木尚典 134試合出場 打率.328、17本塁打、92打点、7盗塁
(二)ローズ 143試合出場 打率.369、37本塁打、153打点、3盗塁 ※打点王他
(一)
駒田徳広 129試合出場 打率.291、9本塁打、71打点、0盗塁
(右)
佐伯貴弘 112試合出場 打率.309、10本塁打、53打点、1盗塁
(三)
進藤達哉 109試合出場 打率.286、14本塁打、43打点、1盗塁
(捕)
谷繁元信 122試合出場 打率.295、11本塁打、51打点、0盗塁
【控え】
(三)
ポゾ 52試合出場 打率.297、9本塁打、30打点、0盗塁
(右)
中根仁 71試合出場 打率.272、5本塁打、25打点、0盗塁
(左)
井上純 64試合出場 打率.304、4本塁打、13打点、1盗塁
(右)
荒井幸雄 51試合出場 打率.279、0本塁打、3打点、0盗塁
セ・リーグ史上最高記録のチーム打率.294(投手を除くと.303)をマーク。ローズは外国人最多の153打点を挙げるなど打点王、首位打者、最多安打を獲得した。30本塁打以上はローズのみだが、切れ目のない打線で一気に畳みかけて大量得点を奪う攻撃はまさにマシンガン。135試合で711得点と1試合平均5.27得点は驚異的な数字だったが、投手陣が不安定で
中日に及ばず。球団初のリーグ連覇はならなかった。
ダイエー ダイハード打線(2003年)
【スタメン】
(中)
村松有人 131試合出場 打率.324、6本塁打、57打点、32盗塁
(三)
川崎宗則 133試合出場 打率.294、2本塁打、51打点、30盗塁
(二)
井口資仁 135試合出場 打率.340、27本塁打、109打点、42盗塁 ※盗塁王
(一)松中信彦 135試合出場 打率.324、30本塁打、123打点、2盗塁 ※打点王
(捕)
城島健司 140試合出場 打率.330、34本塁打、119打点、9盗塁
(左)バルデス 124試合出場 打率.311、26本塁打、104打点、1盗塁
(指)ズレータ 67試合出場 打率.266、13本塁打、43打点、0盗塁
(右)
柴原洋 112試合出場 打率.333、4本塁打、53打点、11盗塁
(遊)
鳥越裕介 115試合出場 打率.212、1本塁打、25打点、5盗塁
【控え】
(遊)
本間満 88試合出場 打率.227、0本塁打、12打点、3盗塁
(左)
出口雄大 60試合出場 打率.256、3本塁打、14打点、3盗塁
(右)
大道典嘉 117試合出場 打率.281、4本塁打、51打点、0盗塁
この年のオープン戦で主砲・小久保裕紀が右ヒザを負傷してシーズン出場なしに終わったが、破壊力抜群の打線だった。NPB史上最高のチーム打率.297で、チーム総得点822も歴代2位。6選手が打率3割をマークした。また、井口、松中、城島、バルデスが100打点以上を記録。同じチームで4選手が100打点をマークするのはプロ野球史上初の快挙だった。盗塁数も井口、村松、川崎選手とトップ3を占め、機動力でも他球団を圧倒した。投打ががっちりかみ合い、リーグ優勝、日本一に輝いた。
写真=BBM