いよいよ球春到来! 2018年シーズンへ向けた春季キャンプの開幕が近づいてきた。沖縄キャンプの見どころや注目ポイント、魅力をお伝えしていこう。今回は沖縄でキャンプを行う9球団それぞれの見どころをチェックしていく。 2018沖縄キャンプガイドvol.2
vol.1はこちら ■東北楽天ゴールデンイーグルス キャンプ地:久米島野球場(一次)、金武町ベースボールスタジアム(二次)
走塁の意識改革なるか 則本昂大、
岸孝之、
美馬学の投手3本柱、
ウィーラー、ペゲーロ、
アマダーの長距離砲がストロングポイントとなるが、
梨田昌孝監督は機動力の強化も明言している。昨季のチーム盗塁数42はリーグ5位。トップの
西武は約3倍と大きく引き離された。ウィーラーとともにチームトップの7盗塁をマークしたのは代走での起用が多かった
田中和基。2ケタ到達者セロは寂しいもの。
茂木栄五郎や
島内宏明はスピードもある選手。長打も打てて足もあれば、相手に与える脅威も増す。この春季キャンプで、積極果敢なチャレンジ精神を植え付けたい。
■北海道日本ハムファイターズ キャンプ地:名護市21世紀の森公園(あけおみSKYドーム及びブルペンを使用)/かいぎんスタジアム国頭(二軍は国頭を使用)
本格化するサバイバルレース アリゾナキャンプを終え、2月17日からは2次キャンプが名護と国頭で行われる。名護市営球場が改修工事のため、今シーズンは隣接する屋内のあけおみSKYドームなどを使用し、練習メニューは実戦が中心になる。特に初日の17日に開催される一・二軍合同の紅白戦は大注目。黄金ルーキーの
清宮幸太郎をはじめ、一軍当落線上の選手たちにはとってはこの日がまずは最初のアピールの場となる。ほかにも大谷の穴を埋める存在の台頭、横一線のスタートとなる正捕手&クローザー争いなども大きな見どころ。例年以上に熱いサバイバルレースの行方から目が離せない。
■千葉ロッテマリーンズ キャンプ地:石垣市中央公園野球場(一、二軍)
井口改革が本格スタート 最下位からの巻き返しを期し、
井口資仁新監督のもとで春季キャンプからチーム改革が本格始動する。一、二軍の枠を完全に取り払ってチーム内競争を活発化させながら、指揮官が「時間は変わらないが練習量は倍になる」と語るように徹底的に練習の効率化を図って密度を上げる。「練習は倒れるまでやる」と地獄のキャンプになりそうだ。2月1日のキャンプインとともに実戦形式のシート打撃が行われる予定で、選手たちは初日からアピールできるように体を作り上げてくることが求められる。
鈴木大地の三塁コンバートをきっかけに激化する内野陣のレギュラー争いからも目が離せない。
■広島東洋カープ キャンプ地:コザしんきんスタジアム(一軍)
ハイレベルな開幕投手争い 昨年は8日間だった広島の沖縄キャンプだが、今年は12日間に拡大(休日1日を含む)。多目的室内練習場「沖縄市グリーンフィールド」が2月までに完成予定で、雨天時でも練習量を確保できるメドが立ったことが大きな理由で、より温暖な環境で存分に腕を磨くことができるはずだ。見どころは開幕投手を巡る争い。2016年沢村賞投手のジョンソン、16年最多勝、勝率第一位投手の
野村祐輔、17年勝率第一位投手の
薮田和樹と、3本柱のレベルは非常に高い。ブルペンの“競投”は必見で、それぞれのプライドをかけた豪華な投球練習に注目したい。
■阪神タイガース キャンプ地:かりゆしホテルズボールパーク宜野座(宜野座村野球場)(一軍)
レギュラー取りに執念が見られるか!? 2018年のスローガンは「執念」。そして
金本知憲監督も「優勝」を口にだした。頂点に立つという執念を見せられる選手が生き残る、サバイバルが春季キャンプで行われる。まず先発陣は藤見晋太郎や
岩貞祐太が「絶対もう一度!」と執念を見せ先発枠を取れるのか。内野は二塁手、遊撃手のレギュラーが決まっていないため、
糸原健斗や
植田海などの若手がレギュラー狩りに闘志を燃やすはず。もちろん外野も昨年ブレークした
中谷将大や
俊介が安泰と言うわけではない。髙山俊や
江越大賀など実力選手が虎視眈々とその座を見据えており、レギュラー争いがこれまで以上に激化することが予想される。
■横浜DeNAベイスターズ キャンプ地:宜野湾市立野球場(一軍)、嘉手納野球場(二軍)
チーム内でのレギュラー争い激化 「桑原、筒香、宮崎、ロペスは決まっているが、残りのポジションは競争になる」。そう
ラミレス監督が語るように、今季はチーム力アップのために4つのポジションのレギュラーを白紙に戻し、キャンプで競わせることで適性を見極めていくつもりだ。二遊間には阪神からFA移籍の
大和がチームに新風を吹き込む。遊撃の
倉本寿彦、二塁の
田中浩康、
石川雄洋、
柴田竜拓とのポジション争いは激しいものとなるだろう。外野では
梶谷隆幸が守る右翼の座を、
細川成也、新人・
神里和毅が虎視眈々と狙う。チーム内での激しいレギュラー争いが最大の見どころとなる。
■読売ジャイアンツ キャンプ地:沖縄セルラースタジアム那覇(一、三軍)
吉川尚、岡本の“定位置争い”に注目 実戦とそこでの見極めに重きをおいたキャンプとなる。宮崎一次キャンプでひと通りの整備を終えた直後の2次キャンプは、13日間の滞在でオープン戦2試合、練習試合4試合の計6試合を予定しており、実戦をメーンに、開幕一軍へ生き残りを懸けたサバイバルが予想される。最注目ポイントは二塁、三塁争い。主将の坂本勇が「能力は僕よりも上」と太鼓判を押す昨季のドラ1・
吉川尚輝が二塁をう、15年ドラ1にして未完の和製大砲・
岡本和真が三塁を狙う。期待されるのは打線への影響で、機動力+小技の吉川尚に対し、岡本は長打力。沖縄では優先的にテストされることが予想され、結果が伴わなければ昨季チーム首位打者のC・
マギーにポジションを奪われることになる。
■中日ドラゴンズ キャンプ地:北谷公園野球場(一軍)、読谷平和の森野球場(二軍)
指揮官のハートをつかむのは誰だ 5年連続Bクラスに低迷している中日だが、昨季は新人王に輝いた
京田陽太を筆頭に、
鈴木翔太や
小笠原慎之介、
笠原祥太郎など、多くの若手が頭角を現した。新戦力を積極起用する
森繁和監督のお眼鏡にかなう選手が今年も現れるか。伸び盛りの選手に注目だ。中でもドラフト1位ルーキーの
鈴木博志は最速157キロを誇る剛腕投手。社会人のヤマハでは救援での起用が多く、自身もクローザーへの意欲は高い。
田島慎二との抑えを巡る争いに注目。また、昨季は7月以降に18本塁打を放った
福田永将もキーマンの一人。豪快な打撃練習は見応え十分だ。
■東京ヤクルトスワローズ キャンプ地:浦添市民球場(一軍)
まずは守備から鍛え直す! 宮本慎也氏がヘッドコーチとしてチームに戻ってきて、外野守備走塁コーチには前広島の
河田雄祐氏が新たに就任。リーグワースト失策数86という守備の再建は、最優先課題の一つと言える。強化は昨年の秋季キャンプから始まっていた。宮本ヘッドコーチが山田哲ら内野手に浴びせたノックは数え切れないほど。春季キャンプでもそのスパルタ指導は続くはずだ。外野の
バレンティンも例外というわけにはいかない。
小川淳司監督が掲げるのは「守り勝つ野球」。守備を強化し、ここ数年すっかり見失っていた緻密な野球を徹底的に追求したい。
沖縄プロ野球キャンプ2018 https://www.okinawabaseball.com/ 写真=BBM