4月21日の楽天戦、8回に満塁弾を放った松田。鹿児島県立鴨池球場に集まった約1万8000人のファンを沸かせた
長い歴史を持つ日本プロ野球。今年も、チームを、そしてスタジアムを愛する者たちで変わらずスタンドは満たされ、選手たちの熱戦を後押ししている。今週号ではその「球場」にクローズアップ。12球団本拠地はもちろん、地方を含めたスタンドの熱気、そして今季の見どころにスポットを当てたい。まずは昨年から開催されているソフトバンクの「九州新幹線シリーズ」に沸いた鹿児島県立鴨池球場から、昨年と変わらぬ打棒を発揮中のホークスの和製大砲、松田宣浩の声をお届けしよう。 取材・構成=高橋幸司、写真=湯浅芳昭 試合途中から降り出した強い雨を斬り裂き、ライト方向へ痛烈な打球が飛んでいく。4月21日、県立鴨池球場での楽天戦、7対1で迎えた8回無死満塁の好機、松田のバットから放たれたライナー性のボールは、地元のホークスファンが埋め尽くす右翼席へ一気に突き刺さった。試合を決定付ける、今季3号のグランドスラム。「さつま揚げを食べてきたおかげです(笑)」とおどけたが、「投高打低」の流れなど、この男には関係ない。年に一度の南九州で、最高のパフォーマンスを見せたのだ。 ――鹿児島での一戦は、最後の打席で最高の結果が出ましたね。
松田 やはり、年に1、2度しか開催されない地方での試合で活躍できると、ファンの皆さんにもイメージが強く残ると思いますし、何よりホークスが勝って、お客さんが喜んでくれるのが一番ですからね。
――ここまで打撃好調ですが(打率はリーグ4位の.347、本塁打は同2位の3本、打点も同2位の19。4月21日現在、以下同)、要因はどこにあると考えていますか。
松田 とにかくチームの勝ちに貢献するためには何ができるかを考えてプレーしていますし、打つだけじゃなくて、守っても走っても、常にいい結果を残したいという気持ちが、成績につながっていると思います。
――技術的な要因はありますか。
松田 オープン戦最後の
広島戦(3月25日、マツダ広島)、試合前のフリー打撃で「この感触で打てば、強く遠くへ打てるんだ」というものをつかめて、実際に2本塁打。そのイメージを持ちながら練習を続けて、開幕戦(3月30日
オリックス戦、ヤフードーム)で初打席本塁打を打てたのが大きかったですね。
――どのような変化が?
松田 バットを・・・
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