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“球友・佐伯貴弘”再会対談
谷繁元信 2000安打記念インタビュー「『今日、勝つ』、毎日その目標の繰り返し」
谷繁元信 2000安打達成記念インタビュー「『今日、勝つ』、毎日その目標の繰り返し」

 

5月6日のヤクルト戦(神宮)で史上44人目の2000安打を達成した谷繁元信。史上最年長(42歳4カ月)、史上最遅(2803試合)、そして捕手としては野村克也(元南海ほか)、古田敦也(元ヤクルト)に続く3人目の偉業達成だ。今年プロ25年目のベテランが打ち立てた大記録にある思いとは?さらに優勝を何度も経験した司令塔が考える最強チームとは?同級生であり、ともに横浜で日本一を味わった佐伯貴弘氏が直撃した。
取材・構成=小林光男、早川大介、写真=高原由佳、大泉謙也、BBM

記録のために野球をやっているわけではない


佐伯 2000安打達成、おめでとう!

谷繁 ありがとう(笑)。

佐伯 残り31安打で今季を迎えたけど、どういう気持ちだった?

谷繁 2000安打よりも、今までは調整しながら開幕を目指す形だったんだけど、今年はチーム方針でそれが叶わなくて。とにかく開幕に向けて、しっかり調整していくという気持ちの方が強かった。それで運良く最後の1週間でうまく調整ができて、個人的にはいいスタートが切れた。ただ、チームの調子が悪かったので、そっちの方が気になったね。

佐伯 シゲは常に「チームの勝利優先」という姿勢を見せるけど、やっぱり2000安打の瞬間もシゲらしい一面が出たというか、負けていたし、ニコリともしなかったよね。

谷繁 直接2000安打を見たのは駒田(駒田徳広)さん、立浪(立浪和義)さん、そしてこの間の中村(紀洋)の3人。みんな打った瞬間にガッツポーズをして喜んでいたので、自分も「ああいう感じになるのかな」と思っていたけど、まったく逆(笑)。回の先頭で打席に入って、「初球だけは思い切り振ってみようかな」という感覚だけだったね。

佐伯 ホームランを狙って。

谷繁 そうそう。狙ったけど、ファウル。次からはセンター中心に打ち返すことを考えて、たまたま振ったらあそこ(右翼前)に飛んでいった。

5月6日のヤクルト戦[神宮]、6回に押本から右前打を放ち、2000安打を達成した


佐伯 それがピンと来ないというか。

谷繁 そんな感じ。込み上げてくるものはマジでなかったし。

佐伯 お母さんはスタンドで号泣していたけどね。

谷繁 いつも腰が曲がっているのに、映像を見たらシャキーンと伸びていたから。まだまだ、大丈夫だって思ったね(笑)。

佐伯 プレッシャーはなかったの?

谷繁 本数に関してはなかったけど・・・

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