今季ここまで(6月2日現在)6勝1敗、両リーグを通じてトップの防御率1.14。もはや“覚醒”を果たしたと言っていいだろう。 自身もストレートへのこだわりは隠さないが、その力を目覚めさせたのは今年から投げ始めたチェンジアップだ。 2013年変化球特集のトップを飾るのは、“覚醒”の左腕・菊池雄星。西武時代にルーキー時代を身近で見てきた野球解説者・土肥義弘氏が、 好調の理由、そして本格左腕を覚醒させた変化球に迫る。 構成=田辺由紀子 写真=桜井ひとし
聞き手 土肥義弘[野球評論家] 体のリズムを意識することで試合中の修正が可能に 土肥 今回は変化球の話を中心に聞きたいんですけど、その前にまずは好調の要因を探っていこうかなと。フォームに関して、これまでスリークオーターからオーバースローにしたり、また戻したりと試行錯誤したけど、今はオーバースローで落ち着いて。どんなふうに固まった感じ?
菊池 自分の中では今、サイドで投げているイメージなんです。
土肥 上から叩くというよりも、肩のラインがきっちり入れば振り抜けるという感覚かな。
菊池 ラインとかも気にせずに、横の回転で投げるという意識でやっているだけですね。自分のイメージとしては、サイドくらいで投げているイメージでスリークオーターになっている感覚です。スリークオーターで投げようと意識すると腕が上がっちゃうんで、それより下のイメージでやるとちょうどいいんです。
土肥 なるほど。上からを意識すると、ヒジが前に出ちゃってルーキーのころのような良くないところが出てきちゃう。それを防げるということなんだろうね。ノーワインドアップからワインドアップに変えたのは?
菊池 去年の秋季キャンプからです。気持よく投げたいなと思って。タイミングもばちっと合うので。
土肥 確かにある意味ムダな動作だけど、ピッチャーにとって次の動作に行けるタイミングってすごく必要だし、力が抜けて入れるというメリットもある。
菊池 あとはヒザとヒジをパッと一緒に入る感じを作りたかったんで。
土肥 石井カズ(一久)さんとかそんな感じで投げている。
菊池 そうです、そうです。
土肥 自主トレはカズさんとワク(涌井)、岸、牧田と。カズさんにはどんなことを教わったとかある?
菊池 技術的なことで教わるということはあまりなかったんですけど・・・
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