ここでは、今も日々、安打を積み重ねている各球団の巧打者たちに、忘れられない一本について訊いた。 誰もが覚えているメモリアルな一撃から、本人がこだわる意外な瞬間まで、ヒットメーカーたちの技術と思い出が詰まった珠玉の一打をご紹介。 ※年齢は2013年の満年齢。成績は8月18日現在
家族の前で兄と真剣勝負 陽岱鋼[日本ハム・外野手、26歳=8年目] 今も忘れられない1本のヒットがあります。12年の帯広での8月8日の
ソフトバンク戦で実のアニキ(
陽耀勲)と初対戦したんですよね。ちょうど、その日は台湾の父の日で、自分もスタンドに家族を呼んでいたんですよ。プロに入ってから7年間、ずっと待っていたアニキとの真剣勝負。とりあえず初球からいこうと考えていましたし、狙っていました。その初球、ストレートをセンター前へ。打点もない、派手さもない1本でしたけど、この打席だけははっきりと覚えています。打った瞬間は父を含めて周りへの感謝の思いで、いっぱいになりましたね。
自分の理想のヒットは、二塁手の頭上を強いライナーで越えていくような打球。それが打てるように常に努力しています。尊敬する先輩の
オリックスの糸井(嘉男)さんみたいになりたいと思っていますから。自分は糸井さんのように、まだ自分を目指そうと思っている選手なんていないでしょうから特にアドバイスはないですね(苦笑)。でも、これからいろいろな選手からの目標とされるような選手になれるように頑張ります。
今季成績 417打数121安打、打率.290 通算成績 1971打数527安打、打率.267
監督の助言で放った初安打 栗山巧[西武・外野手、30歳=12年目] 忘れられないヒットはたくさんありますけど、なんやかんや言ってもプロ初ヒット(04年9月24日近鉄戦=大阪ドーム。7回に
小池秀郎から)かなと思いますね。プロ初出場の試合でもあったんですが。
伊東勤監督(現
ロッテ)に「(相手投手が)左でも(打席に)立たしてやるから。スライダーが(自分の)背中から来るのを打て」と言われて、打席に送り出されたんです。小池さんは左のサイドハンドだったし、当時の僕が一軍で出始めたばかりの若手打者だったということもあって・・・
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